就業支援ハンドブック
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94 第2章 就業支援の実際(事例)《知的障害者 Aさん 20代 男性》1)事例の概要および支援に至る経緯 ① 生活環境および生育歴 家族は、父親、母親、兄2人、弟1人の4人兄弟である。共働きの両親と弟と同居している。乳幼児健診では言葉の発達の遅れが指摘され、ことばの教室に通っていた。小学校は普通学級へ入学する。中学校入学後、徐々に勉強についていけなくなり、中学2年時に特別支援学級へ転籍、療育手帳を取得する。中学時代は他の生徒からからかいを受けていた。 その後、B特別支援学校高等部へ進学し、卒業後は在学中の実習先であったスーパーC社へ就職した。母親と兄弟は本人の障害について受容しており協力的である。 父親は療育手帳を所持する必要はないと考えており、障害についての理第1項 施設の概要 当センターの運営母体は医療法人であり、青森県八戸市に昭和21年に当法人の前身医院が開設、昭和57年より国道沿いの現地に移転し、現在は精神科病院(病床数278床)および介護医療院(48床)を運営している。診療科目の精神科および一般科(5科)、歯科に加え、北東北てんかんセンターを併設し、地域に根ざした医療を実践している。また、病院機能の他、障害者の社会復帰や地域生活支援にも取り組んでおり、精神科デイケアセンター、宿泊型自立訓練事業所、グループホーム、障害者地域活動支援センター、障害者就労移行支援事業所、特定相談支援事務所等を開設し、医療から地域生活まで総合的なサービスを提供している。 当センターは、平成19年4月、県内3番目の障害者就業・生活支援センターとして青森県八戸市に開設した。青森県の県南地域(1市6町1村)、圏域人口約32万人を担当している。圏域内には、ハローワークが2か所、就労移行支援事業所6か所、就労継続支援A型事業所23か所、就労継続支援B型事業所63か所ある(令和2年10月1日現在)。 第2項 支援事例の紹介第1節 障害者就業・生活支援センターにおける    支援の実際~障害者就業・生活支援センターみなと~

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