就業支援ハンドブック
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96 第2章 就業支援の実際(事例)については、家庭での生活リズムや自己管理の状況、余暇の過ごし方等を中心に、可能な方については生計の状況(家族の就業状況、年金受給の有無、自立支援医療の有無等)についても確認するようにしている。 最後に本人と母親より、仕事内容、勤務地、勤務時間、通勤手段、希望給与、障害の開示・非開示といった就職に際しての希望、また、就職に限らない生活全般に対する希望についても確認した。 1時間程度の初回面談終了後、アセスメント実施を提案し、本人と母親より了承をもらう。次回は、アセスメントの実施とし、3日間、9時から15時まで当センターに通所してもらうこととなった。アセスメント実施にあたり、利用登録と個人情報使用への同意をもらう。  ② センター内ケース会議 初回面談により把握した基本情報をもとに、当センター職員全員(センター長1名、主任就業支援担当者1名、就業支援担当者2名、主任職場定着支援担当者1名および生活支援担当者1名)でAさんについてのケース会議を行った。会議では、現時点での課題、アセスメントで詳細に確認しなければならない点、作業アセスメントの内容等について話し合う。結果、職業準備性、本人の性格、生活状況、障害特性、本人の得意・不得意についてアセスメントすることとなった。 当センターでは独自のアセスメントを準備しており、聞き取りの他、自法人の障害者就労移行支援事業所の一角を使用し、作業アセスメントを実施している。アセスメント内容は、厚生労働省「就労移行支援のためのチェックリスト」(以下「チェックリスト」という。)、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「M-ストレス・疲労アセスメントシート(Makuhari Stress and Fatigue Assessment Sheet)」(以下「MSFAS」という。)の記入と聞き取り、幕張版ワークサンプル、作業アセスメント13種類である。また、必要に応じて心理検査も実施する。主治医がいる場合は、本人より同意を得て、電話連絡もしくは受診同行により主治医から確認を取り実施している。 チェックリストとMSFASは必ず実施し、作業と心理検査はセンター内ケース会議で組み合わせや内容を検討し、概ね作業4種類を2回および心理検査を実施できるよう組み合わせる。時間がかかる心理検査の場合は、別途時間を設ける場合もある。  ③ アセスメントの実施 アセスメントは基本的には3日間、9時から15時まで行い、①健康管理、

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