就業支援ハンドブック
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98 第2章 就業支援の実際(事例) ④ 個別支援計画策定と説明 アセスメントで得られた情報を基に、アセスメント担当者2名が協議し個別支援計画書(案)を作成する(図1)。その後、作成された個別支援計画書(案)の内容をセンター職員全体で協議し、内容の変更や追加、修正し、センター長が最終確認をした上で、本人や家族へ説明する。担当者による個別支援計画書(案)作成開始から本人や家族への説明まで概ね2週間以内で行っている。本人や家族へ個別支援計画書の説明を行い、同意を得て個別支援計画策定となる。 今回はアセスメント実施後、1週間で説明を行った。説明時には、「希望」や「想いと目標」に間違いや変化がないか必ず確認する。就職する本人の希望を叶えるための計画でなければならないからである。 アセスメントから、身だしなみの課題、困ったことの相談といった意思伝達の課題、報告・連絡・相談といった基本的労働習慣の課題が認められたことを本人と母親に説明した。困ったことの相談が苦手なこと、報告・連絡・相談が適切なタイミングでできなかったことが、在職中に本人と会社の間で双方の不満の原因になった可能性が考えられるため、再就職を目指すためには、この課題について対処技能を身につける必要性を説明し、障害者就労移行支援事業所(以下、本節において「移行支援事業所」という。)での訓練を提案した。 本人と母親もアセスメント結果と今後の支援の方向性について納得された。この時点で、移行支援事業所の利用の手続きの流れを説明し、利用可能な特定相談支援事業所(以下、本節において「相談支援事業所」という。)、移行支援事業所について情報提供する。しかし、10日後の障害者就職面接会へ参加を希望したため、その結果次第で今後の方向性を再度話し合うこととした。個別支援計画書には障害者就職面接会参加についても追加記載し、本人より署名をもらう。3)移行支援事業所の申請から利用 ① 移行支援事業所の申請 翌日、本人より「面接会は見送り移行支援事業所の利用を進めたい」と連絡が入ったため、本人と母親に再度来所してもらうこととした。面談は このアセスメントから、身だしなみの課題、困ったことの相談といった意思伝達の課題、報告・連絡・相談といった基本的労働習慣の課題が認められた。この課題の解消を含め、今後の支援の方向性を提案するために個別支援計画策定を行った。

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