就業支援ハンドブック
126/300

 <はじめに> 障害者本人の就業に対する意欲の高まりや、「障害者の雇用の促進等に関する法律」の改正に伴う、法定雇用率の改定や差別の禁止、合理的配慮の提供義務等の措置などにより障害者雇用は着実に進展している。厚生労働省が発表している令和2年度の障害者の職業紹介状況等によると、ハローワークを通じた障害者の就職件数はコロナ禍において前年度比で減少したものの、令和元年度の取りまとめまでは、11年連続で増加しており、中でも精神障害者やその他の障害者の就職者数の伸び率が高くなっている。 一方で、当機構の障害者職業総合センター研究部門の調査研究(調査研究報告書No.137「障害者の就業状況等に関する調査研究」)によると、障害者求人と一般求人、一般求人における障害の開示・非開示において、また、支援機関による定着支援の有無等により、就職後の定着率に有意な差があることが報告されている。 これらのことから、近年の就業支援ではジョブマッチングのための支援や就職後、安定した就業を継続するためのセルフマネジメントスキルの向上、就業先の人も含めた職場環境の調整などが重要になってきているといえる。 地域障害者職業センターでは、本ハンドブック本編にあるようにアセスメントからプランニングを経て、支援が必要な障害者に対し、職業準備支援、ジョブコーチ支援等を実施しており、マッチングや職場適応、就業継続の支援を行っている。ここでは、利用者の約6割を占める精神障害者や発達障害者への支援を中心にその概要を紹介する。118 第2章 就業支援の実際(事例)◇地域障害者職業センターにおける障害者支援について◇<職業準備支援> 職場をイメージした模擬的就労場面での作業体験や各種講習、個別相談などを通して就職や職場適応に必要な職業上の課題の把握とその改善を図るための支援、職業に関する知識の習得のための支援、社会■コラム④ 

元のページ  ../index.html#126

このブックを見る