就業支援ハンドブック
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 ① インテーク インテーク(intake)は、受理面接または受付面接などとも称される。 相談に来た人と面接し、何のために相談に来たのか、その「主訴(chief complaint)」を確認し、受け付けるのが適当かを判断し、受付者(インテーカー)が属する機関での支援につなぐ。主訴の内容により、他の機関の方がサービス機関として適切であると判断される場合には、その機関を紹介するなどの対応をとる。 インテークは、就業支援の入口に当たる重要なステップである。利用者の中には、情報不足のため状況をあまりよく把握できていない場合や、コミュニケーション能力に課題がある場合もあり得る。利用者の期待と提供できるサービスに食い違いがあれば、この段階でよく理解し納得していただくことが大切である。また、一般にはこの段階で、利用者と支援者の間に、お互いに信頼し合い、安心して振る舞ったり、感情の交流ができたりする関係、すなわちラポール(rapport)が形成されるかどうかがほぼ決まる。このため、インテークには経験豊富な職員が対応するようにしている施設もある。  ② アセスメント アセスメント(assessment)は、就業支援では、一般に「職業評価」 を意味する。就業支援におけるアセスメントは、面接・調査、関係機関などからの情報収集、各種心理的・職業的検査や作業評価、それらに伴う行動観察などの方法によって総合的に行われる。面接・調査や情報収集では、利用者の生育歴、学歴、職歴、職業能力・適性などを理解し、置かれている状況を把握・確認する。各種検査では、職業能力・適性を中心に把握する。就業支援の場合は、特に実際の場面での職業能力・適性が問題となるので、実際の職場での実習やできる限り実物に近い模擬的な作業場面を活用した評価方法がよく使われる。 また、利用者の課題については、環境との関連性を視野に入れて把握することが必要であることから、アセスメントには、地域の雇用・就業状況を始めとする労働市場などの環境の評価も含まれる。図4(6ページ)は、アセスメントとプランニングの関係のイメージを図示したものである。 第1節 就業支援のプロセス 5

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