就業支援ハンドブック
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124 第2章 就業支援の実際(事例)2)支援の経過 ① 「この会社に応募したい」を自分で決める(選択の支援) 「仕事の希望は、自分の強みを生かせる事務作業か、授業でもやっている清掃作業で行きたい」 Aさんの中では、それまでの「職業に関する教科」の授業や仕事に関する学習、1年生の時からの現場実習の体験から、2年生の秋には上記のようなイメージだった。 2年生の後半からの現場実習を「就職活動」とすることは先にも述べた。実はこの意識を作るには、生徒たちも先生たちも苦労する。 1年生や2年生の前半までは「やってみたい・やりたい仕事」で実習を組んでいく。2年生の前半の現場実習では、複数の「やってみたい・やりたい仕事」から、一つに絞って取り組んでいく。授業でも「仕事選び」という言葉で共有している。そこで一つに絞る選択を実際やってみることになる。このプロセスで、「選ぶ」というのは「他を捨てる」ことでもあることを学んでいく。校までは、コミュニケーションや数学等の教科学習に苦労してきた。 本校に入学してからは、徐々に自信を取り戻し、2年生からの就職活動にも前向きに積極的に、でも慎重にコツコツと体験を積み重ねてきた。2年生で3社、3年生で2社の実習を重ね、いよいよ応募先の1社を絞る時期になった。 M社とN社、悩みに悩み、その結果M社に応募、内定を勝ち取っていった。 2年生後半からは、「就職活動」そして「会社選び」になる。つまり、仕事内容だけではなく、職場環境や雇用条件等々、観点を増やした選択になる。そのタイミングで当時地域の就労支援機関が実施していた「職業ガイダンス」を活用した。就職活動に向かう2年生を対象に、その心構えや職業選択に当たっての観点等を学んでいく。

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