就業支援ハンドブック
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126 第2章 就業支援の実際(事例) ② 応募先を1社に絞る・決める、そして応募へ(就職活動への支援) 3年生になったAさんは4月の進路面談で、次のように言った。 「M社とN社、3年生の前半でもう一度現場実習をやって決めたい」 就職活動への見通しを持ちながら、夏休みまでにはもう一度実習をして、確かめたいというわけだった。 Aさんは2社からの評価もよく順調に3年生前半の現場実習の見通しを作ることができた。この他に、2年生で実習した希望の会社でもう一度現場実習をやって決めていきたいという生徒、2年生で実習した会社の採用計画が変更になったため求人が出なくなりそう、だから他社で現場実習を設定していく生徒、どうも2年生までの現場実習はうまくいかなかったので他社での実習のチャンスを作ろうという生徒、大きくはこの4つの層にく。 また、一方でこのプロセスをとおして、「この会社に入りたい!」という気持ちを強めていく。比較検討しながら、現場実習で出会った職場のいいところをわかっていき、仲間になりたいと希望していく。 「自分で入りたいと思う1社を決めて、選考に応募して、勝ち取っていく」という流れができていく。 そのため、本校では2年生後半から複数の職場で現場実習を行うわけだが、1件の現場実習は最大で1週間としている。2週間以上の期間の実習を一定期間に複数実施するのは難しい。校内での生活も大事にしてほしいし、授業や授業以外でも力をつけ、もまれて鍛えられてほしいと願っているからである。 L社でも現場実習をやってみたAさんは、学校に帰ってくると次のように振り返った。 「先生、清掃の会社で2社やってみたけど、事務の仕事の会社でも実習できますか?」 慎重なAさんなので、ある程度の予想はしていた。その後事務の仕事のM社とN社でも現場実習をやってみて、「やっぱり事務の仕事、会社で就職したい」と希望が変わっていった。

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