就業支援ハンドブック
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■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■140 第3章 就業支援に必要な考え方 他方で、職場(環境)に向けられたサービスや支援は「資源の開発」を促すことを目指す。これもまた、既存の様々な社会資源を選択したり調整しながら活用する「資源の調整」と、個人の能力や必要性に応じて既存の社会資源を改善して作りかえる「資源の修正」の2つの方法がある。就業支援は、こうした4つの方法により個人と職場(環境)の双方に焦点を当てながら支援や介入を行うものであり、この視点こそ、医学や特別支援教育での支援や介入と異なる特徴といえよう。 2)就業支援と生活支援の一体的な継続 就業支援を進める場合、対象となる障害者の能力特性をどのように捉えるかは、実際の支援の在り方を考えるうえで重要である。図2は、そうした能力特性を階層的な構造として見たものである1)。  この図では、最上段の「職務の遂行」はある特定の仕事をこなすために要求される能力、2段目の「職業生活の遂行」は職業人として基本的に要求される特定の仕事を超えた共通の能力(職場の理解、基本的ルールの理解、作業遂行の基本能力、作業遂行の態度、対人関係の態度、求職と面接技能など)、3段目の「日常生活の遂行」は日常生活について自立して維持できる能力(学習の基礎的技能<基礎的な数理処理、理解力、コミュニ図2 個人特性の階層構造と支援

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