就業支援ハンドブック
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178 第3章 就業支援に必要な考え方②相手の得意技を知る。あらかじめ、異なる職種にある相手の得意な領域や技術を知っておくと、連携する対象として有用であるかどうかの判断がしやすくなる。③相手の苦手な領域を知る。得意技とは反対に、相手の苦手な側面を知っていると、過剰な期待を抱かないために、無駄な失望や怒りを避けることができる。④制度や相手機関の限界を知る。それぞれの職種や機関の職務は根拠となる法令で規定されているため、絶対あるいは場合によってはできないことがある。そのため、相手の立場を理解したうえで、押すべきところは押し、期待できない部分は別の手を考えることが必要である。⑤相手の勤務状況を知る。それぞれの職種や機関に連絡する際に、業務の遂行上で不適切な時間帯がある。それゆえ、相手の勤務行動をできるだのような修復の方法がある。①ネットワークの特徴は、異なる機関がお互いにその活動内容を組み合わせることによって、新しい価値の創造に向かうことである。そのため、お互いの機関の長所を重ね合わせるという積極的な考え方を浸透させることが必要である。②情報交換を重ねることで、個々の機関のネットワークとの関わり方そのものが変わって行く。そのため、ネットワークに参加する機関は、他の機関と関わりの中で絶え間なく変化を遂げ続ける、との理解が必要である。③ネットワークの実際の活動を維持するのは組織に属する個人である。そのため、その人たちのネットワークに対する考え方や価値観が組織の活動に反映されることを見逃してはならない。 2)ネットワーク維持のためのポイント ネットワークの維持に際しては、参加する異なる専門職の人たちとの協同作業を円滑に進めることが不可欠である。そのためには、以下に示すようなチームを維持するための要件に注意することが必要だろう4)。①相互の違いを前提とする。職種や機関が異なれば、その考え方や技術は当然異なるということを前提にして協同することが重要である。相手が自分とは異なる発想や価値観を持っているがゆえに、相互理解に向けたコミュニケーションに充分に配慮することが必要である。

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