就業支援ハンドブック
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 1.障害者自立支援法から障害者総合支援法へ 障害福祉分野では、平成11年の「社会福祉基礎構造改革」を踏まえ、平成15年に支援費制度が導入された。行政がサービスを決定してきた措置制度から、障害者がサービスを選択し、契約によりサービスを利用するという新たな制度へと転換し、平成18年に施行された障害者自立支援法へとつながった。 この障害者自立支援法においては、従来の障害保健福祉施策が抜本的に改革され、施設体系の再編、新サービスの創設が行われたが、就労系障害福祉サービスについては一般就労への移行促進を目的とした就労移行支援事業が創設されるなどにより強化され、障害福祉分野と雇用分野双方で一般就労に向けた支援がなされることとなった。 その後、平成22年から平成23年に開催された「障がい者制度改革推進会議」における様々な論議等を経て、利用者負担の見直し、相談支援の充実等、地域における自立した生活のための支援の充実が図られ、平成25年4月に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」が施行された(平成24年6月20日成立・同年6月27日公布)。 第3節 就業支援と支援ネットワーク 1812.障害者総合支援法の概要 障害者総合支援法は、平成23年7月に成立した「改正障害者基本法」の基本的な理念にのっとり、障害者が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活・社会生活を営めるよう、障害福祉サービスに加えて地域生活支援事業による支援を総合的に行い、障害の有無にかかわらず人格と個性を尊重し安心して暮らすことができる地域社会を実現することを目的としている。基本理念においては、社会参加の機会の確保、地域社会における共生及び社会的障壁の除去に資するよう、総合的かつ計画的に支援が行われなければならないことを掲げている。 また、制度の谷間を埋めるべく、障害者の範囲に難病等を加え、「障害程度区分」については、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示す「障害支援区分」に改めている。◇福祉施策と就業支援◇■コラム⑧ 

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