就業支援ハンドブック
191/300

第3章 第3節 第3節 就業支援と支援ネットワーク 183就労移行支援からの移行者は令和2年においては前年より減少したが、令和3年度は増加に転じた。○ 就労継続支援A型事業 就労継続支援A型事業は、通常の事業所に雇用されることが困難であるが、適切な支援があれば雇用契約に基づく就労が可能である者に対して就労機会を提供するサービスである。 A型事業所については、収益の上がらない仕事しか提供しない等の不適切な事業運営が把握されていたため、平成29年4月に指定基準等を改正し、「生産活動収入から経費を除いた額が、利用者の賃金総額を上回っていなければならない」等を明示した。さらに、令和3年度の報酬改定では、基本報酬の算定に係る実績について、現行の「1日の平均労働時間」に加え、「生産活動」、「多様な働き方」、「支援力向上」及び「地域連携活動」の5つの観点から成る各評価項目の総合評価をもって実績とする方式(スコア方式)に見直しを図っている。 令和3年度における平均賃金月額は81,645円であり、平成18年度の制度創設以降、減少傾向にあったが、平成27年度以降は徐々に増加している。○ 就労継続支援B型事業 就労継続支援B型事業は、雇用契約に基づく就労が困難である障害者に対して、就労や生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を行うサービスであり、障害者が地域で自立した生活を送ることができるように、利用者に支払う工賃水準の向上に努めなければならないとしている。 令和3年度の報酬改定においては、地域における多様な就労支援ニーズに対応する観点から、現行の「平均工賃月額」に応じて評価する報酬体系に加え、「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系を新たに設け、事業所ごとに選択することとしている。 平均工賃月額は令和2年度は前年度よりも減少したものの、令和3年度は増加に転じ、平均工賃月額は16,507円であった。○ 就労定着支援事業 平成30年4月から新たに実施された本サービスは、就労移行支援、就労継続支援、生活介護、自立訓練(以下、「移行支援等」という。)の利用を経て、通常の事業所に新たに雇用され(※)、就労移行支援等の職場定着の義務・努力義務である6か月を経過した者に対して、就労の継続を図るために、障害者を雇用した事業所、障害福祉サービ

元のページ  ../index.html#191

このブックを見る