就業支援ハンドブック
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218 第4章 就業支援に必要な知識   ロ.パニック障害(PD:PanicDisorder) パニック障害は、何らの前触れもなく突然、心臓が激しく鼓動したり、呼吸が苦しくなったり、めまいや身体が震えるなどの症状と激しい不安感(パニック発作)が起こる病気である。パニック発作は、特別な理由もなく起こり、1回で終わることはなく、何度も繰り返すという特徴がある。通常10~20分で治まるが、当事者にとっては、死の実感を伴うような非常に苦しい体験となる。パニック障害では、発作が何度か繰り返されるうちに、また発作が襲ってくるという強い不安(予期不安)を伴うことが多くなる。   ハ.外傷後ストレス障害     (PTSD:Post-TraumaticStressDisorder) 外傷後ストレス障害は、戦争や大震災、重大な事故などの大きなストレスに遭遇して、本人の意思とは無関係に、そのことが頭から離れずに、不安が続いて元の生活に戻れない状態をいう。その体験が何度も繰り返し思い出される、悪夢にうなされる、眠れなくなる、他人との疎遠感や孤立感を感じたりする、不安・緊張の強い状態が続く等様々な症状がみられる。 外傷後ストレス障害には、大きく分けて3つの症状がある。フラッシュしているものを恐怖症という。恐怖症は例えば、高所恐怖症、尖端恐怖症、広場恐怖症、社会恐怖症等がある。 神経症は、特に身体の機能異常や病気もないのに心身に障害が起きるもので、典型的な心因性の精神障害である。直面する環境への不適応が原因で精神的なバランスが崩れることでも起きる場合があり、適応障害とのとらえ方もある。 ある考えにとらわれてしまう強迫性障害(OCD:Obsessive Compulsive Disorder)もある。強迫性障害は、不快な考えが頭に何度も浮かぶために(強迫思考)、その不安を振り払う目的から同じ行動を繰り返す(強迫行為)のが特徴である。 他に、社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)、全般性不安障害(GAD:Generalized Anxiety Disorder)等の用語も比較的よくみられる。

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