就業支援ハンドブック
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 ③ 雇用対策上の位置付け 雇用対策上の精神障害者とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」 の第2条第6号において定められ、「精神保健福祉法第45条第2項の規定により、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者」及び「統合失調症、そううつ病(そう病及びうつ病を含む)、又はてんかんにかかっている者(前号に掲げる者に該当する者を除く)」とされる。具体的には、精神障害者であることの確認は、精神障害者保健福祉手帳あるいは「主治医の意見書」により行うこととなる。ただし、障害者雇用率制度に適用されるのは精神障害者保健福祉手帳を所持している場合のみであるため、留意が必要である。2)職業的課題と支援のポイント ① 精神障害の職業的課題 就業支援の対象となる精神障害者の職業人としての特徴として、一般的には、下記枠内のような点が挙げられる。これを総合すると「多面的な援助を継続的に必要とする人々」とまとめられる。しかし、一人ひとり、状況は大きく違っているので、あくまで一般的な傾向として理解しておくことが肝要である。バック症状は、不安や恐怖を体験した出来事が鮮明によみがえることをいう。回避・まひ症状は、体験した出来事の一部が思い出せない、出来事を思い出すような場所を避ける、以前ほど物事に興味が持てない、強い孤独を感じる、感情がまひしたように喜びや幸せを感じない、等の症状をさす。また、興奮状態の持続、または物事への過敏反応といった症状がみられることもある。眠れない、イライラする、必要以上に警戒心が強まる、ちょっとした物音などにも過敏に反応してしまうなどの症状が現れる。○疾病と障害の併存 医学的な疾患が固定されず、何年経っても治る可能性も悪くなる可能性も残している人が多い。疾病と障害が併存する、環境からの影響を強く受けて症状が変化する(症状が固定されにくい)、医療機関との連携が 第1節 障害特性と職業的課題(精神障害) 219

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