就業支援ハンドブック
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 アセスメントは、地域障害者職業センター、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、職業能力開発校、企業、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、福祉事務所、特別支援学校、保健所、医療機関等で広く行われているが、実施する機関、目的や場面によってその内容や方法は様々である。ここでは、就業支援のアセスメントについて解説する。 1)アセスメントの内容 就業支援のアセスメントでは、「①個人の側の諸特性」と「②職業の側の諸条件」、「③個人をとりまく支援体制」の3つの側面について把握・分析を行う。 例えば、①個人の側の諸特性としては、基本属性(氏名、年齢、障害状況等)、家庭環境、生活歴、職歴、身体的側面(身体動作、体力等)、精神的側面(学力、性格等)、社会的側面(日常生活、職場での対人関係等)、職業的側面(労働意欲、職業適性等)がある。また、②職業の側の諸条件としては、地域の産業、労働市場の状況(障害者の求人、就職状況等)、就職可能性がある職業があり、③個人をとりまく支援体制については、利用できる社会資源等がある。<ポイント>○ アセスメントでは「セールスポイント」や「できること(ストレングス)」に注目する。できないことや課題点が目につきやすいが、陰に隠れた長所を見逃さないように留意し、セールスポイントを伸ばす方向でアセスメントを行う。○ 課題については、必要な支援や配慮、環境調整をできるだけ明確に示す方向でアセスメントを行う。○ 家庭や地域での生活面の諸条件も、職業生活を送るうえでは影響のある要素となる。社会資源の状況も含めた全体的なアセスメントを行う視点が必要である。○ 前述したように、アセスメントの過程で利用者の自己理解を支援する視点から、アセスメントの内容やポイントを利用者に整理して示すことは有効 第2節 職業に関する方向付けのための支援 15第3項 アセスメントのすすめ方

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