就業支援ハンドブック
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228 第4章 就業支援に必要な知識  ロ.アスペルガー症候群 知的発達に明らかな遅れがなく、自閉症の3つの特徴のうち言語発達の遅れがあまり見られない場合は、アスペルガー症候群とされる。ただ、言語発達に著しい遅れはなくても、杓子定規的な文法どおりの話し方が見られたり、理屈や事実関係にこだわって話が細かすぎたり、感情表現や言外の意味を読み取ることが難しいなど、言語使用には特徴や障害がある。○ 1対1の状況ならなんとか応答できても、複数の人が含まれると対処できない。(3)想像力の障害 行動や興味、思考に広がりがなかったり、反復的で常同的なパターンを示す場合がある。○ 身体を揺らしたり、手をぱたぱたさせたり、同じ動作を繰り返し行うなど、常同的で反復的な衒奇的運動が見られる。○ 同じ服を着続ける、同じ物を執拗に収集するなど、遊びや生活習慣に執着や儀式的行動が見られる。○ 一定の手順にこだわり、場所や時間、手順・道順などを変更できない。 予定の変更を受け入れがたく、手順やパターンが崩れると混乱する。 予期せぬことが起こるとどうしてよいか分からなくなり、パニックになる。規則に厳格過ぎて融通が利かない。臨機応変の対応ができない。○ 興味、関心の幅が狭い。興味のあることには集中する一方、興味のないことには極端な無関心を示す。○ 部分や細部へのこだわりがある一方、全体的なパターンをつかんだり、まとめ上げることが苦手。○ 単純に記憶を積み重ねる学習や正確で論理的なことは得意であるが、応用や抽象的で曖昧なことの理解が苦手。などなど

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