就業支援ハンドブック
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232 第4章 就業支援に必要な知識 ○ しばしば、不適切な状況で、余計に走り回ったり、高い所へ上ったりする(青年または成人では落ち着かない感じの自覚のみに限られるかもしれない)。 ○しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない。 ○ しばしば“じっとしていない”、またはまるで“エンジンで動かされるように”行動する。 ○しばしばしゃべりすぎる。<衝動性> ○しばしば質問が終わる前に出し抜けに答え始めてしまう。 ○しばしば順番を待つことが困難である。 ○しばしば他人を妨害し、邪魔する(例:会話やゲームに干渉する)。 ただし、以下の場合に対象となることとされる。・ 多動性─衝動性または不注意の症状のいくつかが7歳以前に存在し、障害を引き起こしていること。・ これらの症状による障害が2つ以上の状況〔例:学校(または職場)と家庭〕において存在すること。在するという明確な証拠が存在しなければならないこと。※ 発症時期について、DSM-Ⅳでは7歳以前に診断基準が置かれていたが、DSM-5においては、より集団的行動を要求されることの多くなる12歳に発症時期が引き上げられた。また、以前の児童期の行動特性を主体に作成されていることから、児童期には6項目以上該当すれば診断が下されるが、17歳以上の青年、成人の対象者では、5項目で診断基準を満たすものとされている。・社会的、学業的、または職業的機能において、臨床的に著しい障害が存・その症状は広汎性発達障害、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患(例:気分障害、不安障害、解離性障害、または人格障害)では上手く説明されないこと。 上記に示したものが発達障害となるが、これらの一次障害が要因となり、自信や意欲の低下、情緒不安定などの不適応的な反応や行動が二次障害として顕在化する場合がある。認知のアンバランスや、社会性・コミュニケーション上の障害は、目に見えない複雑な仕組みや法則により成り立つ社会や、同調・同質を要求する集団生活、効率性や計画性を追求する課題遂行場面においては、様々な軋轢や失敗の原因となる。しばしば発達障害のある人は、叱責や批判の対象となり、また、行動の特異性から、友達ができない、いじめの対象となるなど社会的に孤立しやすくなる。失敗体験や傷

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