就業支援ハンドブック
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 ③ 雇用対策上の位置付け 発達障害者は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に規定する職業リハビリテーションの措置の対象である<同法第2条第1号「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。第6号において同じ)その他の心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」>。 療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の対象でない発達障害者に適用される制度としては、ハローワークにおけるトライアル雇用や特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)、職場適応援助者(ジョブコーチ)による援助などがある。なお、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の対象となる場合、あるいは、地域障害者職業センターにおける知的障害者判定を受けた場合は、法定雇用率やその他の雇用援助制度の対象となる。 発達障害者であることの確認は、都道府県障害福祉主管課、精神保健福祉センターまたは発達障害者支援センターが紹介する「発達障害に関する専門医」による診断書によることとされる。なお、過去において、児童相談所その他の療育相談等を行う公的機関を利用したことがあり、発達障害者支援法施行(平成17年4月1日)以前に当該機関ないしは当該機関の紹介する医療機関において発達障害が認められるとの指摘を受けたことがある旨の申告があった場合についても、上記診断書による場合に準じて取り扱うこととされている(特定求職者雇用開発助成金〔発達障害者・難治性つき体験を積み重ねるうちに、人の批判に過敏となったり、びくびくしたり、自信喪失や劣等感、疎外感、不安感に苦しむ人も多い。否定的な過去の記憶や被害感が鮮明によみがえるフラッシュバックと言われる症状が生じ、嫌な過去からなかなか抜けられない人もいる。 引き起こされる二次障害として、抑うつや強迫性障害、パニック障害、不登校、引きこもり、逸脱行動などがある。全ての人に二次障害が発生するわけではないが、発達障害のある人には、日常生活を普通に営むことにも生きにくさと苦痛があることを充分に理解することが、支援を行ううえで重要である。 第1節 障害特性と職業的課題(発達障害) 233

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