就業支援ハンドブック
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234 第4章 就業支援に必要な知識2)発達障害の職業的課題と支援のポイント ① 発達障害の職業的課題 就職活動や職業生活には、多種多様な情報処理や効率的・効果的な課題遂行能力、社会性やコミュニケーション能力、臨機応変な柔軟性などが求められる。そのため、意欲や能力に関わらず、高等学校や大学を卒業し、就職の段階になって初めて困難さを目の当たりにし、支援の必要性を感じる人や家庭も少なくない。 発達障害の特性から、就職活動や職業生活において課題となる事項に次のようなことがある。疾患患者雇用開発コース〕の適用については、医師の診断書または意見書が必要となる。)。【就職活動における課題】<自己理解における課題> ○障害の自己理解が不十分。 ○自分の得意なことと不得意なことが整理されていない。 ○仕事の経験が少ないか偏っており、仕事のイメージがつかめていない。 ○企業が求める能力や資質が分からない。 ○ 向いている仕事が分からない。経験や能力に合わせた仕事の内容や労働条件のマッチングが分からない。 ○偏った職業選択や理想が高すぎる職業選択が見られる。<知識やスキルにおける課題> ○就職情報の読み方・使い方が分からない。 ○就職活動の仕方や段取りが分からない。 ○就職活動における失敗の理由と対処方法が分からない。 ○ 面接の受け方や履歴書の書き方など、就職活動の知識やスキルが不十分。 ○サービス機関や制度を上手く利用できない。【職業生活の維持における課題】<職務や作業について> ○適切なスピードで作業することが苦手。 ○スピードは速いが、雑だったり、質を意識することが苦手。 ○一度に複数のことを指示されると混乱する。 ○言葉だけの指示では理解できなかったり、覚えられない。

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