就業支援ハンドブック
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 ③ 場面設定 施設内に模擬的な作業場面を設定して観察・評価する方法である。<ポイント>○ 施設内の支援場面を活用して、実際の職業場面に近いルールの下での活動を通じ、観察・評価により職業的諸特性を多面的に把握する。その際には、表1(20ページ)の「就労移行支援のためのチェックリスト」の「チェックリスト経過記録表」を活用すると効果的である。 ④ 職場実習 職場実習は、利用者が実際に、企業内の作業を行うことを通して観察・評価を行う最も実際的なアセスメント方法である。この方法は、環境要因の影響も含めたアセスメントができること、実体験を通して利用者自身で職業に関する現実的な検討ができること、企業から直接的な評価が得られること、職務再設計等の検討も併せて行うことができる等の長所があり、広く活用されている。協力事業所の確保にあたっては、ハローワークをはじめ関係機関との連携、情報交換が重要である。<ポイント>○ 職場実習を行う際には、関係者間で情報共有できるように、また担当者による評価結果にバラツキが出ないようにするため、評価項目や評価基準を定めた統一様式を使用すると効果的である。例えば、地域障害者職業センターでは表2(21ページ)の「職務試行法評価票(記入例)」を使用している。クサンプルとしては、ワークサンプル幕張版(MWS)などがある。MWSは、簡易版と訓練版に分かれ、職業上の課題を把握する評価ツールとしてだけでなく、作業遂行力の向上や障害の補完方法の活用に向けた支援ツールとして使うことができる。具体的には、数値入力、文書入力などのOA作業、物品請求書作成、ラベル作成などの事務作業、ピッキング、組立作業などの実務作業の3つの作業に大別される13種類の作業課題から構成されている。 第2節 職業に関する方向付けのための支援 19

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