就業支援ハンドブック
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1)職業準備性とは 職業リハビリテーション用語集第2版2)では、職業準備(work preparation)を「職業生活を開始するに当たって要件を準備すること。 例えば、職業生活をはじめていくのに必要な身体条件、体力、仕事に対する意識、上司や同僚とコミュニケーションしていくための能力、必要な技術、技能の獲得等があげられる。これらの職業準備性(レディネス)を高めていくためには、技術的な面よりも、基本的な労働習慣を身につけることが要求される(後略)」としている。また、レディネス(readiness)を「心理学では学習に必要な準備状態をさす。成熟や経験によって得られ、効果的な教育・訓練を行うために必要な条件が充分に用意されている状態を『レディネス』があるなどと表現している。(中略)対象、目的との関連で学習レディネス、職業(就職)レディネス等が考えられる。」としている。 以上を踏まえると、職業準備性とは、「個人の側に職業生活をはじめる(再開も含む)ために必要な条件が用意されている状態」とまとめられよう。  2)職業準備性の内容 職業生活を始めるために必要な個人側の条件としては、①職務遂行に必要な技能②職業生活を維持するために必要な態度や基本的労働習慣(仕事に対する意欲、一定時間労働に耐える体力、規則の遵守、責任感、称賛および批判を受け入れる態度等)③職業生活を支える日常生活・社会生活面の能力(健康管理、生活リズムの確立、日常生活の管理、対人技能、移動能力、消費者としての技能、社会資源を活用する技能等)といったことが含まれる。職業準備性というときには、このうちの②や③に力点がおかれることが多い。②や③の具体的な内容としては、20ページのチェックリスト経過記録表の項目が参考になる。第1項 職業準備性とは何か 1) 第3節 職業準備性の向上のための支援 27第3節 職業準備性の向上のための支援

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