就業支援ハンドブック
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68 第1章 就業支援のプロセスと手法2)行動をコントロールする(機能分析) 人間の行動はあるきっかけによって生起し、その行動の結果次第で同じ行動が継続したりしなかったりするという考え方がある。 例えば、挨拶をするという行動について考えてみる。朝、職場で知っている人に出会ったので(きっかけ)、「おはようございます。」と言う(行動の生起)。相手が「おはようございます。」と返してくれる(結果)。この場合、きっかけ(=知っている人に出会う)がなければ、挨拶という行動は生起しないし、相手からの返答がなければそのうち挨拶もしなくなる。これがきっかけと結果が行動をコントロールするという考え方で、「きっかけ」「行動」および「結果」の3つの項目の機能を分析する方法を機能分析といっている(図8)。 機能分析の視点を持つことで、例えば不適応行動がどんなきっかけで起こり、どんな結果で強化・維持されるかを分析的に理解することができる。とを職務分析と言う。その職場の職務を分析することで、対象者にできそうな職務を再構成することも可能となる。 この職務分析は、後述するタイムスケジュールを作成する際の元データともなる。図8 機能分析(行動をその前後のきっかけや結果との関連でとらえ、それらの機能を明らかにする分析)返答がある

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