就業支援ハンドブック
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74 第1章 就業支援のプロセスと手法  a 障害特性を伝える 障害特性を伝えることはそれ程簡単ではなく、誠意を持って分かりやすく説明すれば伝わるというものでもない。相手が聞く耳を持っているかどうかを的確に判断し、最も効果的なタイミングを図る必要がある。イメージが正確に伝わり、自ずと適切な対応法が連想できるような説明が理想であるが、そのためには、相手の知識、興味関心、思考パターンなどのバックグラウンドに合わせたコミュニケーションツールの開発も必要になる。 1度や2度の説明で伝えようとする必要はないが、ジョブコーチは、何をどのタイミングでどのように説明するか絶えず意識している必要がある。①自然水の流入(ストレスの量)  b 就業を支える仕組みを伝える ジョブコーチと企業の担当者が協力して作った仕組みが、企業の中で形式だけ引き継がれ考え方が引き継がれないとせっかく作った仕組みも形骸化してしまい、果ては担当者が替わって背景が分からなくなると「何でこ就業を継続していくことが危うくなるというもの)である。「統合失調症」を説明するコミュニケーションツールの例「統合失調症」を説明するコミュニケーションツールの例①自然水の流入-ストレスの量 堤防が低い(ストレス体制が弱い)とストレスを溜める容量が少なくなる。②ダム(堤防)-ストレス耐性 堤防が決壊し水があふれるように調子を大きく崩すことがあるので、 適度に人工的水量調節(ストレス発散)することが大切。③人工的水量調節ーストレス発散の程度 安定的な水位に保たれているのか、警戒水位なのか推測する手がかりは、 睡眠と食欲である場合が多い。②ダム(堤防)(ストレスの耐性)③人工的水量調節(ストレス発散の程度)

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