就業支援ハンドブック
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①②③④⑤⑥支援対象者Aさん 34才 男性障害について高次脳機能障害(精神障害者保健福祉手帳)勤務先B社 事務補助および名刺作成業務職場環境複数の障害者が働く会社。Aさんは入社から4ヵ月が経ち、仕事にも慣れてきて意欲的に取り組んでいる。職場には同じように5名の障害者が働いている。本人に起きている事象職場の同僚から携帯電話のサイトについて教えてもらう。無料で女性とメールのやり取りが出来るということで、興味を持つ。実際に自分でサイトの利用を始める。【職場】特定の女性とサイトにおいて頻繁にメールのやり取りをするようになる。休日に会う約束をする。→ 都合が悪くなりキャンセルされる。本人の所得では支払い困難な携帯電話の使用料金が請求される。彼女からは継続的にやり取りを求められる。休日の約束は果たすことができずに「次回に」と先延ばしが続く。ており、支援が必要になる状況に陥る可能性は常に絶えない。とはいえ、一緒に生活をしている訳でもなく、毎日家庭訪問を行う訳でもないので、職場以外での状況の把握は非常に困難である。また、問題が顕在化しない限りは、それに気付くこともできないであろう。では、どのようにこれらの課題に取り組むことができるのだろうか。ここでは一つ例を挙げて考えてみたい。  第4節 就職から雇用継続に向けた支援 81【職場】職場で同僚とコミュニケーションがとれてきた。【家庭】職場での様子を本人から聞く。問題なく仕事も順調である。明るく話をするようになる。【家庭】家庭では自室にいる時間が長くなる。【職場】職場では同僚に彼女の話をするようになる。【家庭】家庭では家族と話す時間が短くなる。【職場】仕事にも積極的に取り組む。【家庭】休日にも外出するようになる。【職場】職場で落ち着きがなくなる。ミスが多くなる。【家庭】家族と話をしなくなる。【職場】他の社員のロッカーから財布が無くなる。→ 大きな問題に発展!【家庭】職場での様子・家庭での様子表2 ケース例

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