就業支援ハンドブック実践編
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図4 アセスメント結果(2か月後分)短期目標とした①「社会人としてのビジネスマナー・モラルの再確認」については、「挨拶」等の講座において、これまで自分が気づかなかった点について知ることができたため、この目標は引き続き取り組むことにした。②「相手に伝わる挨拶をする」については、Aさんも就労支援員も改善しているとの評価であった。実際に家庭においては、挨拶を意識して行うようになり、かつはっきりとした挨拶をするようになった。しかしながら、挨拶に限らず日常会話についても意識できるとなお良いという話になったため、新たに「相手に伝わる話し方をする」という目標を設定した。③「いろいろな作業を体験して自分に合った職種を検討する」については、暫定期間中に実施したワークサンプル幕張版(簡易版)の訓練の中で、引き続き取り組みたい課題があったとのことであった。このため、今後は簡易版から訓練版に移行し、引き続き目標として取り組むこととした。当施設においては、ワークサンプル幕張版を中心に作業を組み立てているが、それ以外にもより具体的な業務に近いメール便の仕分け、ファイリング、宛名書き等の作業メニューを取り入れている。その他、就労継続支援B型事業所における内職作業等についても、指示理解や作業耐性等の状況を把握する場として活用している。さらに、訓練を通じて日常的にメモリーノートを導入し、「記憶に頼らず記録に頼る」習慣付けも行っている。メモ自体は取れても、見直しや確認ができないと使えない。また、メモを取って後で確認しようとしても、分からないメモになってしまうことが少なくない。聞き漏らしがないか等、メモを取った後に指示者に確認してもらうよう、定着に向けて、失敗と成功を繰り返しながら地道な支援を続けていったPoint14  。第2章 事例4 各種検査、体験利用プログラム等によるアセスメントとプランニング104第2章事例4

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