就業支援ハンドブック実践編
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ハローワークから聞き取った内容の整理○基本情報(氏名、年齢、性別、障害状況等)・Aさん、23歳男性・親戚に勧められたのがきっかけで、最近療育手帳B2(軽度)を取得○現況・離職後約1年が経過しており、日中は家の中で過ごしている○職歴・5社で就業した経験があるが、長続きせず。職種は様々ですべて一般雇用。○就労に対するAさん(母親)の希望・就職したい(してほしい)・障害者雇用を希望・職種の希望は定まっていない○ハローワークにおける相談状況・求職登録済み・障害者雇用、支援制度、就労支援機関に関する情報提供※ 職業適性などのマッチングに必要な情報が不足している○ハローワークがセンターに求めている支援内容・仕事に対する希望やイメージの深化・職業適性、職業準備性の把握・就職後の継続的なサポート2 センターにおける相談(1) インテーク(Aさん・家族からの情報収集)Aさん、母親にセンターに来所してもらい面談を実施した。ハローワークから聴取した内容を基に、仕事や支援機関の利用に関するAさんや母親の気持ちを確認した。Aさんからは、仕事に対する考えについて、「将来が心配」「家族を安心させたい」「仕事は何でもよい」「障害者雇用だったら続けられるはず」等の話があり、自身のことについては、「何が障害なのかよく分からない」「得意なことや苦手なことは分からない」「どんなサポートが必要なのか分からない」等の話があった。職歴について聞き取りを行ったところ、離職理由について「…なぜかよく分からない」等、面談中に何度も母親の顔色を窺う様子がみられたため、次回はAさん一人で相談に来ていただくことを提案しPoint2  、本日は母親からAさんの生育歴、職歴、生活状況、障害特性、Aさんの就職に係る母親の希望等について聞き取りを行ったPoint3  。本人に知的障害がある場合、コミュニケーションの補助者として家族や支援機関に同席してもらうことによって、相談や情報収集がスムーズになると思われます。しかし、1対1の方が話しやすい等、本人の希望に沿った雰囲気作りや環境設定も必要です。この事例では、ワーカーは、本人が母親の前では話しにくそうな雰囲気を察したため、個別面談を提案しました。2第2章 事例5 就業支援ネットワークを活用した情報収集によるアセスメントとプランニング108第2章 事例5

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