就業支援ハンドブック実践編
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障害者就業・生活支援センターは本人の職業生活をトータルで支援する役割を担っているため、仕事や生活について幅広く情報収集を行うことが必要です。3母親から聞き取った内容の整理○学校生活の様子(小学校、中学校への通学状況、学習の達成度)・ 小中学校と成績は下位。友達ができずほとんど一人で過ごしていた。・ 病気(風邪)以外で休むことはなかった。・ 小学校高学年時に担任から特別支援学級を勧められたが、日常生活を送る上で特に大きな問題が無かったこと等から、通常学級で様子を見守ることとした。○家族構成(両親との関係、兄弟との関係)・両親と2歳下の弟との4人暮らし。・父親は何事も本人の努力の問題という考え。Aさんにとっては怖い存在。・弟は就業中。一緒に外出するなど関係は良好。○経済状況(家族の就業状況、年金受給の有無)・Aさん以外は就業中。・障害年金を申請済み。○通院状況・定期通院、服薬等はなし。○生活状況・離職後は昼まで寝ていることが多い。・ 給料はAさんが管理。過去に、高額な電化製品を複数購入し、給料日に給料のほとんどを使ってしまうことがあった。○在職時の様子・ 家族に仕事のことをほとんど話さない。辞めた理由を聞いても「合わない人がいた」というくらいで詳しいことは分からない。・病気以外で仕事を休むことはなかったが、離職前にはご飯を残す、塞ぎ込む等があった。○障害特性・あまり分からないが、基本的に受け身で何か言われないと動けない。・ 母親は障害者手帳の取得に抵抗はあったが、仕事がうまくいかないことが続いたので何かサポートが必要と思い取得を決めた。○今後の不安・このまま在宅生活が長引かないようにしたい。・ 将来一人暮らしをすると言っているが、金銭面や対人面のトラブル等が不安(以前同級生に恐喝されていたことがある)。困った際に家族に相談できない。→  センターでは生活面に係る相談に応じる事、必要に応じ地域の生活支援機関をコーディネートできる事を伝えた。○仕事に対する考え・ 母親としては、以前は正社員を望んだが、今は長く働ければこだわらない。事例5 障害者就業・生活支援センター 軽度知的障害109第2章 事例5

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