就業支援ハンドブック実践編
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職業センターの利用を通じて情報収集したこと・ 作業検査の結果から、スピーディーな動作は期待できないため、安定したペースや正確性を伸ばす視点が大切である。・ ピッキングでミスはみられたが、指摘をした点を修正することができていた。作業で注意すべきポイントや手順を分かり易く教えることで、習熟できる可能性が高い。カード分類は時間がかかったものの、ポイントを伝えた結果ミスなく遂行できた。・ ミスを防ぐためには、スピードへの意識や周囲の刺激を減らすこと、確認行動を作業の工程の中に入れること等が効果的である。・ 教えられたことに忠実なため、作業途中で変更や追加がある場合は、初めから一連の流れで再度作業指示を行う必要がある。また、指示の内容が人によって変わらないように配慮する必要がある。・ 清掃作業では段取りや効率を考えることは苦手だが、やり残し等は無く空間判断等の力は備わっている。・ 迷った時に質問ができず、流されてしまう傾向があることは課題である。→  以上から、巧緻性やスピーディーな動作が求められる、周囲を気にしないといけない(又は気になってしまう)等の作業環境を避ければ、ジョブコーチ支援を行いながら、職場の管理体制を整えることで、職場適応を目指すことが可能な旨をAさん、職業センター、センターにて共有した。Aさんの感想・ 個室で行ったためか、予想より緊張せず集中して取り組むことができた。・ 作業中に時間を計測されたため、スピードを気にしてしまった。スピードを気にすると焦ってしまう。・ ミスもあったが、一つひとつ分かり易く教えてもらったため、上手く集中することができた。・ 自分に合っている作業は単純な箱詰めくらいと思っていたが、職業センターから清掃やピッキングもできると言われて嬉しかった。・ 就職の際は、ジョブコーチ支援を利用したい。・ 質問をしないといけないと分かっているが、指示のペースについていけない時に上手くできない事がある。→  Aさん、職業センター、センターにて、職業評価を受けて肯定的に評価されたところは自信を持って良いこと、質問などの課題は今後も気を付けていく事を共有した。5 就職活動に向けたプランニング(1) 就職活動に向けたケース会議職業センターの職業評価後にハローワークにてケース会議を実施し(参集範囲:Aさん、母親、ハローワーク、職業センター、B事業所、センター)、センターでの相談内容、B事業所での通所状況、職業セン第2章 事例5 就業支援ネットワークを活用した情報収集によるアセスメントとプランニング124第2章 事例5

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