就業支援ハンドブック実践編
131/148

ターでの職業評価結果等を改めて共有し、今後の就職活動について検討をすることにしたPoint22  。アセスメントの結果については、関係者で確実に共有するためにケース会議の設定が効果的ですが、ケース会議の場所やメンバーについても狙いに沿った設定が必要です。本事例ではハローワークからセンターにアセスメントの依頼があったことがAさんに対する支援契機であり、B事業所や職業センターの協力を得ながら一定のアセスメントを終え、具体的な就職活動を開始することが望ましいと考えられたため、ハローワークに関係者を集めたケース会議を設定しました。22 Aさんは、これまでの支援を通じて就職活動を開始することを希望しており、母親もB事業所の通所中に大きなトラブルもなかったこと、ここ数か月のAさんの表情が良いこと等から就職活動を応援したいとの意向を示された。センター等の支援者もAさん自身が就職活動を前向きに考えることができていること、基本的な職業準備性は整っていること、作業面や企業内の人間関係についてはジョブコーチ支援を活用すること等の理由から、B事業所への通所を継続しながら、具体的な就職活動を進めていくこととした。(2) プランニングの策定ケース会議では今後の就職活動の進め方や就職後のフォローアップ体制等、今後の支援に係るプランニングを検討した。「就職活動中と就職後のAさんの行動目標を明確にすること」「Aさんの目標や行動計画を支援する者と方法を明確にすること」に留意して検討を進めたPoint23  。なお、ケース会議は人数も多く、Aさんと母親が内容を十分に理解できない可能性もあることから、後日Aさんと母親にセンターに来所してもらい、ワーカーからプランニングの内容を再度説明する場面を設定したPoint24  。プランニングの内容は以下の通り。プランニングでは本人の取り組む目標に加え、支援機関の支援内容を具体的に決定することが必要です。支援内容はいわば支援機関の目標といえ、特に関係機関が複数ある場合は、支援内容にずれが生じないようにするためにも重要なポイントとなります。また、就職活動についてのプランニングの際には、就職後の本人の目標や支援機関の支援内容もできる限り具体的に決めておくことで、急な企業面接等の対応を行ったとしても、採用後の支援機関による支援内容の説明がスムーズに事業主に行える等のメリットがあります。23 複数の関係者が集まるケース会議では、ケース会議中に活発な意見交換が行われるなど、本人や家族が情報の多さから内容を理解しきれない場合もあります。したがって、別日に個別面談にて改めて内容を説明する機会を設けることで、本人にとって生きた支援計画にすることができます。24事例5 障害者就業・生活支援センター 軽度知的障害125第2章 事例5

元のページ  ../index.html#131

このブックを見る