就業支援ハンドブック実践編
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(2) 職場実習先の開拓「F市協議会就労部会」の「企業開拓ワーキンググループ」における職場実習先の開拓に当たっては、Aさんの自宅を中心に通勤圏内の企業をピックアップし、そこに「協力事業所情報シート」を配付する方法で企業開拓を行った。通勤圏内の企業のうち、回収した「協力事業所情報シート」の中で「実習受入可能」と回答した企業に対しアプローチを行い、実習に向けて調整を行った。○㈱B職場実習協力事業所(以下「B事業所」という。)の情報・業種:スーパー・職務内容:バックヤードでの倉庫整理、品出し・通勤:Aさんの自宅から1.2㎞に立地されており、徒歩での通勤が可能。・企業側の職場実習の際の受入条件:一人になっても作業ができる方○「個人プロフィール表」の提出B事業所に対して、「個人プロフィール表」を提出し、Aさんの概要を説明するとともに、特別支援学校進路担当教諭から正式に実習依頼を行った。○企業面接 特別支援学校卒業を控えたタイミングで、B事業所にて面接。参加者は、Aさん、B事業所店長、管理部人事マネージャー、特別支援学校進路指導担当教諭及び担任教諭、センター就業支援ワー力一であった。Aさんに対する企業面接では、「この仕事を本当にやりたいと思うか」「やりたいと思うことで仕事は続くものである」との話があるなど、Aさんの根本的な就業意欲を確認する場面があった。おそらく、就業意欲を第一の採用基準としていることが窺われた。4 職場実習に係るアセスメント2~職場実習の具体的取組み~(1) 職場実習先の選定「F市協議会就労部会」の「企業開拓ワーキンググループ」において、Aさんの職場実習先として、B事業所の実習先面接をとおして「職場実習」が適切と判断した理由を、以下のとおり報告した。1  自宅からB事業所までの距離が1.2㎞。徒歩通勤が可能であり、冬季でも安心して通える距離であること。2  「F市協議会就労部会」の趣旨をB事業所は理解し、「協力事業所としての登録」及び「実習受入」について了承をいただいたこと。3 Aさんの適性が見込まれる「バックヤード」での職務設定が可能であること。4 上司等、職場における継続した指導体制が配置され、Aさんに応じた助言・指導が期待できること。(2) AさんとB事業所への職場実習前の状況確認<Aさん>高等部卒業を3月に控え、就職先が未だ決まっていないため、不安な気持ちと「働きたい」という気持ちが交錯していた。(参考事例) 障害者就業・生活支援センター 軽度知的障害135第2章 事例5

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