就業支援ハンドブック実践編
17/148

支援経過1 インテークの状況(1) 地域障害者職業センターへの来所経緯Aさんが地域障害者職業センター(以下「職業センター」という。)に来所されたPoint1  。事前の連絡はなく、ホームページで職業センターの存在を知り、仕事に関する相談をしたいとのことであった。職業センターや他の就業支援機関でも、事前予約を基本としているところが少なくありませんが、発達障害のある方は、その障害特性から相手の気持ちの汲み取りや段取りの組み方等に特徴があるため、予約なく突然来所されることもあります。支援者はそういった状況も鑑み、普段から全職員が自機関について共通の説明ができるようにパンフレット等を整備し、インテークの実施方法を職員間で打ち合わせ、共通対応が行えるように準備しておくことが重要です。1(2) インテークの実施<Aさんの概要>大学卒業後、Aさんは正社員やアルバイトで数社勤務したがいずれも長続きしなかった。27歳の時に広汎性発達障害と診断され、精神障害者保健福祉手帳3級を取得していた。① 主訴の聴取障害者職業カウンセラー(以下「カウンセラー」という。)は、現段階のAさんの主訴を明確にすることをねらいとして相談に応じた。なお相談に当たっては、職業センターが予約制であること、本日は突然の来所のためスケジュール上相談時間が30分程度になることをあらかじめ説明したPoint2  。相談受付は、今後の支援で必須となるラポールの形成を左右する第一過程となります。ゆったりした雰囲気を保ちつつ傾聴するなど、来所経緯や主訴が話しやすいような雰囲気作りに配慮することが大切になります。本事例のように、突然の来所の場合は支援者に十分な時間がない等の問題があります。対応可能な時間、継続相談を希望する場合の今後の予定(見込み)を伝え、当日の対応に限界があることを事前に本人に提示することで、支援者も慌てずに普段通りの対応が行えます。2事例1 地域障害者職業センター 発達障害11第2章 事例1

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る