就業支援ハンドブック実践編
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2 アセスメントの実施状況<職業センターでのアセスメントについて>職業センターにおけるアセスメントは、「第1章 アセスメントとプランニングの概要」のとおり職業評価と呼ばれ、障害者が職業生活における自立を最も効果的に果たすことができるよう、各種手法を通じて、障害者の職業能力・適性に関する知見と見通しを得て、適切な職業リハビリテーション計画(プランニング)を策定することを目的としています。職業センターが実施しているアセスメントの各種手法は、①面接・調査、②検査(心理的・生理的検査)、③ワークサンプル法、④施設内の模擬的就労場面の活用、⑤職務試行法(事業所での作業遂行により、障害者の職業的諸特性を評価する手法)の5種類に大別できます。なお本事例では、①面接・調査、②検査(心理的・生理的検査)、③ワークサンプル法による職業評価を主に実施しています(なお参考事例では、④施設内の模擬的就労場面の活用を通じたアセスメント例を紹介します)。※ 本事例でのアセスメントは、合計3日間に分けて実施していますが、障害者個々の状況や各職業センターの実施体制等により実施日数等は異なります。また本事例においては、発達障害の特性に考慮し、一つひとつの検査について実施する意味とその結果に係る説明を行うなど、本人とのコミュニケーションに配慮しています。(1) 面接・調査(アセスメント第1日目)1日目は、「面接・調査」による本人との聞き取りを主に実施。① アセスメント(職業評価)の目的等の説明イ アセスメントの目的と手順についてアセスメントの目的等の説明に当たっては、口頭説明に加え、図3により視覚情報も交えた説明を行い、正確に理解できるよう配慮した。具体的には、最初に働き方に関する希望を明確に把握し、次に現状の働く力をアセスメントにより把握(希望と現状の把握)すること、その上で就職に向けたプランニング(職業リハビリテーション計画)を立案するという流れになることを説明した。Aさんからは、「一連の流れがよく理解できた。」という感想をこの時点で得ることができた。ロ アセスメントのスケジュールについてAさんのアセスメントの実施回数・期間については、1週間ごとに1回ずつ計3~4回程度実施し、その上でアセスメント結果(職業リハビリテーション計画)を提示するスケジュールであることを伝えた。第2章 事例1 ワークサンプル幕張版(MWS)等を活用したアセスメントとプランニング16第2章 事例1

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