就業支援ハンドブック実践編
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紙筆検査の表紙 紙筆検査の検査8のやり方・練習問題① GATBの実施カウンセラーは、上記のGATBの概要を簡潔に説明した上で検査を開始し、検査中のAさんの取組みについて詳細に行動観察を行った。イ 質問等の意思表示や作業スピード等<紙筆検査>何度かみられた行動特性としては、例えば「検査8」の1ページ目の回答例を説明し、質問がないか確認をした後に2ページ目の説明を行ったが、Aさんは1ページ目の回答例をじっと見たままでこちらの働きかけに対して反応はなかった。そのためカウンセラーは、「何か分からないことがあったら、説明中であっても質問して下さい。」と再度声かけを行ったところ、ようやくAさんから「同意語と反意語はどちらか一つだけ入っているということでよいですか?」と、1ページ目に記載されている内容についての質問がなされた。カウンセラーは、これらのAさんの行動から、①文字情報の理解に時間を要する可能性、②不明点を整理し言葉にするまでに一定の時間を要する可能性、③指示等を一方的に聞く場面では質問するタイミングを図ることが難しい可能性等を推測したPoint13  。本人が普段と違う行動をしたり戸惑う場合などは、その行動の理由について、特定はできなくとも支援者が仮説を立て推測していくことが大切です。また立てた仮説については、聞き取りで確認したり、他の検査等の場面でも把握するなどして推測を続けることにより、本人の特性や職業的な課題を明らかにすることに繋がります。13第2章 事例1 ワークサンプル幕張版(MWS)等を活用したアセスメントとプランニング26第2章事例1

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