就業支援ハンドブック実践編
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物品請求書作業のイメージ(実施状況)指示書を見て作業するよう伝え、口頭での指示は控えて実施した。ちなみに指示書には作業工程順に番号が振ってあるが、1工程に複数の作業工程が記載されている。6試行実施し4試行目まではミスなく行えたが、5試行目でミスが発生した。作業に取り掛かるまでに何度も指示書を読み返し、さらに30秒ほど考え込む様子を見せた後に作業に取り掛かったが、結果的には指示書の手順とは異なる手順で作業を進めていた。その後もふと手を止めては考えるなど戸惑う様子が見られたが、試行錯誤する中で作業手順のイメージが持てた後は、徐々に作業スピードが向上した。5試行目のミスについては、物品名と記号名はカタログを見て適切に記載していたものの、細部の仕様は、記載の漏れがあった。また、請求書に全ての物品名と単価を記載した上で合計金額を記載するが、その記載箇所を間違えるミスがあった。なお、Aさんの数字や文字は比較的読みやすい字で書かれており、また電卓の使用も慣れた様子であった。(Aさんの感想)検査後、上記をAさんにフィードバックすると、作業手順や目的等のイメージについては、「指示書を読んだだけでは作業手順を十分理解できなかった。」「作業内容のイメージも持ちづらかった。」と話された。細部の仕様のミスについては、「そこまで気づかなかった。」と話され、また合計金額の記載箇所のミスについては、「見直そうかと思ったが、時間がかかっていたので見直さなかった。」と話された。合計金額の記載ミスに係る原因については、時間に対する焦りや請求書への記載が終わったことによる気の緩みの可能性を指摘したところ、Aさんからは、「焦りのためしっかり確認しなかった。」との返答があった。作業指示カードカタログを検索物品請求書に必要事項を記入事例1 地域障害者職業センター 発達障害33第2章 事例1

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