就業支援ハンドブック実践編
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実施検査等評価結果社会的側面面接等から【日常生活】現在一人暮らしであるが、日常生活の管理は概ね一人で行えている。また、身だしなみはきちんとしており、清潔感がある。職業的側面面接及び下記検査の実施状況から○厚生労働省編一般職業適性検査○ワークサンプル幕張版:ピッキング、物品請求書作成、数値入力・文書入力・検索修正【指示理解】見本を示すなど、視覚的に指示する方が作業内容や手順をイメージしやすく、理解がスムーズとなる。また、その後数回の作業体験により、作業手順を正確に理解することができる。作業指示書について、一工程に一つの指示が記載されている方が理解しやすい。作業時に考え込む様子が見られたり、手が止まっている際には、作業内容を理解できずに戸惑っていることが多かった。その際は支援者から本人に働きかけを行い、不明点が何かを洗い出し、解決に向けて支援することが現段階では必要である。【作業態度】不明点が生じた際も、質問せず一人で考えてしまう傾向はあるものの、作業態度は常に真面目で一生懸命取り組むため、事業所からは好感を持たれると考えられる。【作業遂行力】厚生労働省編一般職業適性検査からは、言葉の意味の理解力・表現力、平面上の文字や形の照合等の能力は標準域にある。その一方、物の位置関係や奥行きの判断、指先の滑らかな動作を要する作業は苦手な傾向がある。文字や形の照合等の確認能力は有しているものの、詳細な情報への注意配分や維持が難しく、ミスを引き起こす要因となっている。また、時間を意識した取組み等は苦手である。本人自身がミスしない具体的な対処方法を見出すことは難しいが、支援者がミスをした後に改善ポイントを提示すると、すぐに修正して対応することができている。作業スピードを意識して取組めるが、スピードを意識し過ぎると焦りが強くなるなど、適度な加減が苦手となる。そのため、まず指示を的確に理解し、次に作業内容を習得し、最後に作業スピードの向上を促す等、一度に複数のことを伝えるのではなく、一つずつ段階的に伝える方がスムーズである。事例1 地域障害者職業センター 発達障害39第2章 事例1

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