就業支援ハンドブック実践編
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② プランニング(職業リハビリテーション計画の策定)今後のAさんの就職活動のポイントについて、職業リハビリテーション計画(案)として以下1~6のとおり提案し、検討した。プランニングの共有化を図る大切な点であるため、カウンセラーはポイントをホワイトボードに書き込み、またAさんにはメモを取ってもらいながら、理解度を確認しつつ進めたPoint21  。プランニングは、本人のために行うものであることは言うまでもありません。そのため支援者は、アセスメント結果とプランニング案を事前に準備しますが、計画を策定する際には、その計画内容を本人に丁寧に説明するなど、インフォームド・コンセントに留意することが重要です。なお、留意点としては、アセスメントの結果や具体的な支援内容の説明において、本人の障害特性に応じて板書したり視覚的な資料を提示するなど、個々の状況に応じた説明を行いながら、本人との合意形成を図ることになります。21提案1 Aさんにマッチした仕事及び職場環境を選定する以下の条件を参考にしながら仕事の選定について相談する。・複雑なコミュニケーション(交渉、営業等)が求められない作業・定型的なデータや情報等を扱う作業・毎日一定のペースで行える作業・作業手順が定型化されている作業・スケジュールが明確に分かる職場環境・困った時に相談できるキーパーソンがいる職場環境例(1) 簡易事務作業(事務補助作業)データ入力、書類整理等、マニュアル化された定型作業が多い事務アシスト業務が望ましい。(2) 各種小売店や倉庫のバックヤード等での品出しや仕分け作業品出し、前出し、補充等の定型作業。照合能力を活かした商品の整理整頓などの作業(作業手順の適切な指導で習熟できる)等について、職場の状況とAさんの意向も踏まえて検討する。(3) その他時間に追われる作業や細かい作業、接客(トラブル時の落込みが懸念)を主とする作業は負荷が大きいと思われる。※ 上記の職務内容を参考にしながら、収入、通勤、勤務時間等の条件面も踏まえて応募の検討を行うことで、働き方に対する認識をより詳細に共有する。(検討結果)Aさんは提案に同意。今後は事務補助作業を第一希望とし、就職活動を行うことになる。提案2 障害を開示した就職活動について検討する企業側の配慮や支援機関のサポートを得ることで就職の可能性が高まり、かつ雇用継続しやすくなる第2章 事例1 ワークサンプル幕張版(MWS)等を活用したアセスメントとプランニング42第2章 事例1

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