就業支援ハンドブック実践編
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支援計画今後は、障害を開示して就職活動を行い、事務作業や小売店での店舗内作業等を中心に求職活動を行うこととしています。Aさんが就職して働き続けるため、以下の点を目標として職業センターの職業準備支援を利用することが効果的と考えられます。① 疲労やストレスの予防及び対処方法を整理し、習得する。② 企業に対し、自分の得意・不得意、必要な配慮等を説明できるようにする。③ 事務作業での就職を想定し、パソコンの操作スキルの向上に努める。④ 生活リズムを維持し、いつでも就職できるように整える。その他、職業準備支援の利用状況を踏まえつつ、障害者就業・生活支援センター及びハローワークの利用登録について必要に応じて支援します。具体的目標【職業準備支援における目標】① どんな状況でストレスを感じるのか、どうしたらストレスを予防または軽減できるのかについて、具体的に学ぶ。※ ポイントは、エネルギー配分は適切か、他者とのコミュニケーションは適切か、息抜きはできているか等になります。② 作業においてミスが発生する場合、スタッフと相談しながら原因と予防策を検討し、自分に合った予防策を実践する。※ ポイントは、目で見て確認する時に誤りや抜けがないか、指示を受けた時に映像としてイメージできているか、分からないときに質問ができているか等になります。③ 職業評価の結果や職業準備支援での取組みを踏まえながら、自分の得意不得意を具体的に整理し、理解を深める。特に不得意なことに関しては、自分で行う対処法と周囲に配慮を依頼することを区別できるようにする。支援内容・Aさんの目標達成に向け、日々の作業支援や講習等の中で適宜アドバイスを行います。・職業準備支援における目標の進捗状況等を振り返るために、定期的な個別面談を行います。・職業準備支援の利用状況に応じて、障害者就業・生活支援センターやハローワークへの登録についてコーディネートを行います。・その他、新たな課題や相談等については随時対応します。3 帰すう職業リハビリテーション計画を策定した後、Aさんの目標達成に向けて職業準備支援を12週間実施した。職業準備支援では、疲労のマネジメント方法、ストレスの予防方法と対処方法、自分の得意・不得意の理解について重点的に支援した。また就職活動の際は、自分で企業に対して必要な配慮や支援等を説明できることも目標とした。職業準備支援におけるアセスメントでは、①余裕を持って翌日の準備を行うことが苦手であり、いつも出勤時間ぎりぎりに慌てて準備をしてしまうこと、②自分から積極的に周囲とコミュニケーションを図ろうと試みるものの、自分の言動が適切だったのかどうか後から不安になること、③対人対応に対す第2章 事例1 ワークサンプル幕張版(MWS)等を活用したアセスメントとプランニング44第2章 事例1

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