就業支援ハンドブック実践編
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※職業準備支援における「発達障害者就労支援カリキュラム」発達障害者を対象とした社会生活技能、作業遂行力等の向上を図るための支援。発達障害者就労支援カリキュラムにおいては、以下による支援を実施する。① 職業センター内での技能体得講座発達障害の特性を考慮し、問題解決技能、対人技能、リラクゼーション技能、作業マニュアル作成技能の4技能についてグループワークもしくは個別支援を行い、個々の対象者の職業的課題に係る対処方法を検討する。② 模擬的就労場面における作業支援上記講座において獲得したスキルついて、模擬的就労場面の作業支援場面において実際に試行し、獲得したスキルの習得及び習得に当たっての課題の確認を行う。③ 個別相談模擬的就労場面における作業支援の結果等を個別相談において振り返りながら、課題解決策の検討や次のステップアップに向けた目標設定を行う。なお、職業準備支援においては、①と②と③を互いに連動させることで効果的な支援が行えるようにカリキュラムを設定している。※ カリキュラムの終盤には、個々の状況に応じて事業所での体験実習を実施し、体得した各技能等を実際の企業で試行し、実施結果を確認するとともに各技能の向上を図っている。また、ジョブコーチ支援や求職活動等、次の段階の支援に円滑に移行できるように配慮している。Aさんからは、職業相談の段階から職業準備支援の体験利用後の正式利用についても検討したいという希望があった。そのためカウンセラーは、Aさんが夜勤であることを踏まえ、正式利用については生活面や健康面に支障が出ないよう慎重に検討する必要があることと、今回の体験利用は今後の支援プランを検討するためであることを説明した。さらに職業評価終了後の振り返りの際には、障害の開示・非開示に関わらず、今後の就職活動が円滑に進められるようにハローワーク就職支援ナビゲーター(以下「ナビゲーター」という。)の同席を提案し、Aさん及び発達支援センター担当者から同意を得た。[次回のアセスメント(職業評価)について]○性格傾向を知る検査…新版東大式エゴグラムVer.Ⅱ(以下「東大式エゴグラム」という。)○職業適性を知る検査…厚生労働省編一般職業適性検査(以下「GATB」という。)[3週間の職業準備支援の体験利用について]○集団における作業遂行能力を知る…常設の模擬的就労場面に参加○ 対人対応・ストレス対処における傾向を知る… 職業準備支援のうち発達障害者就労支援カリキュラムの講座に参加※ 次回以降の職業評価はAさんのみが来所。3 各種検査によるアセスメント結果について○東大式エゴグラムの結果検査のプロフィール結果からは、「他者を優先する」「遠慮がちである」「人の評価を気にする」等の第2章 (参考事例) グループワーク、模擬的就労場面の活用等によるアセスメントとプランニング50第2章 事例1

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