就業支援ハンドブック実践編
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○リラクゼーション技能講座 テーマ「自律訓練法」上記テーマの講座に見学及び体験参加。利用者は10名程度。リラクゼーション技能講座は、ストレス対処の必要性やストレス対処に係る知識等についての理解を深めた上で、呼吸法や漸進的筋弛緩法等の実施方法を学ぶ構成になっており、当日は、ストレス対処の一技法として自律訓練法を体験した。Aさんの講座後の感想は、「自律訓練法は短い時間で頭がスッキリするのでよい。ストレスの対処方法についての理解が深まりそうだ。」と振り返っていた。○対人技能講座② テーマ「頼みごとをする」上記テーマの講座に見学参加。利用者は前回同様10名程度。Aさんの講座後の感想は、「自分で引き受けて仕事を進めてしまいがちなので、相手に頼みごとができると少し楽になれそうだ。」と振り返っていた。○第2週目の振り返り面談物品請求書作成については、「計算ミスは見直し等により改善できるものの、デスクワークは馴染みがなく気持ちが落ち着かない。」と話された。カウンセラーからは、ミスを防止する対処法を学ぶことも有益であることをフィードバックした。また、リラクゼーション技能講座や対人技能講座においては、「リラクゼーションにも様々な方法があることを知った。色々な方法を学び、自分に合った対処法を習得したい。」といった感想や、「初めは相手によかれと思って遠慮してしまう。その結果、気づいたら自分に疲れやストレスが溜まり落ち込んでしまう。」「ストレスを溜め込んだ後は、相手に感情的に話してしまう。」と話され、過去の自分を振り返っていた。カウンセラーからは、リラクゼーション等のストレス対処法を活用しつつ、「断る」「頼む」等の対人技能を有効に活用することがストレス対処の重要なポイントになることをフィードバックした。【第3週目】○プラグタップ組立課題ワークサンプル幕張版の一つであり、指示者のモデリングを見て作業手順を記憶し、ドライバーを使って三タップ2個を組み立てる課題。単独作業で1時間程度実施したが、その間カウンセラーは、作業手順の記憶、定型反復作業における集中力及び持続力、遂行上の手際の良さ等をポイントにアセスメントを行った。Aさんは指示者のモデリング通りに正確かつ手際良く作業を行えており、作業のペースも安定していた。○対人技能講座③ テーマ「休憩時間の会話」今回は見学参加ではなく、実際に講座に参加。Aさんの講座後の感想は、「雑談や世間話が苦手であるため、特にゴーサイン・ノーゴーサインは自分ではなかなか判断が難しいポイントである。自分はどうしても相手の気持ちを推し測り過ぎてノーゴーサインと判断してしまう傾向がある。」と話された。また、他の利用者の発言やロールプレイを見ていると、もう少しゴーサインと捉えてよいのではないかとも感じられるようになり、少し励みにも第2章 (参考事例) グループワーク、模擬的就労場面の活用等によるアセスメントとプランニング54第2章 事例1

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