就業支援ハンドブック実践編
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3.「解決策の決定」における状況それぞれの解決策について、①実際に自分ができるか(現実性)、②目標を達成できるか(効果)の2側面から○△×で判断し、ホワイトボードに記載したそれぞれの解決策にチェックを行う。①、②ともに○がついたものが解決策となる。Aさんはこの日の解決策について、ある利用者が解決策として挙げた「指示が複数出ても気にしない。ひとまず、他人の評価よりも作業に集中することが大事。」という解決策に対して①、②ともに○をつけ、腑に落ちたようであった。4.受講後の面談Aさんの講座後の感想は、「うまく言葉にできないが、『ひとまず・・』のフレーズが対処法として少しヒントになったので参加してよかった。」と振り返り、少し晴れた表情をしていた。○第3週目の振り返り面談第3週目のまとめは、第1週から第3週までの最終の振り返り面談として実施。作業については、物品請求書でミスがあったものの全体的に高い水準で遂行できていたことを共有した。対人対応やストレス対処については、対人技能講座やリラクゼーション技能講座を通じて、「相手にどう思われるかを考え過ぎてしまうとストレスを溜め込んで落ち込む。その結果として感情的な言い方をしてしまう。」と話され、Aさんは自分の傾向に気づくことができたと振り返った。さらに問題解決技能講座の体験参加を通じて、「誰が良い悪いという考え方ではなく、どうすると仕事が良くなるかという視点が大切ではないか。」「『私は~思う』という伝え方を心掛けたい。」という振り返りもあった。また、どんな場面でも使える対処法はないものの、「ひとまず・・」のフレーズを使って自分に言い聞かせながら、対処法として活用してみたいと振り返った。以上で第3週目の振り返り面談は終了。また次回1週間後の面談においては、Aさん、発達支援センター担当者、ナビゲーターに対し、アセスメントの結果をフィードバックすることと今後の支援方針を話し合う予定であることを伝達し、了承を得た。5 職業評価結果のフィードバックカウンセラーは、アセスメントした情報とプランニングの案をまとめ、職業センターでの所内ケース会議により所長、主任カウンセラー等から助言を得た上で、Aさん、発達支援センター担当者、ナビゲー ターとのケース会議に臨んだ。なお、当日はAさんの特徴に配慮し、分かりやすい説明用資料とAさんの感想が書かれた日誌も準備してケース会議を実施した。第2章 (参考事例) グループワーク、模擬的就労場面の活用等によるアセスメントとプランニング56第2章 事例1

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