就業支援ハンドブック実践編
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支援経過1 導入(依頼の経過、本人・家族の希望)特別支援学校高等部3年時、卒業後の進路希望として就労移行支援事業所である当施設があがっていた。施設実習(行動観察実習)時における家族面談等のやりとりでは、「重度の障害があっても、将来的に働くことにチャレンジして欲しい。」という願いを当初からもっていた。また、卒業後すぐに就業に移行するのではなく、様々な経験を積み重ねた上で、就業を目指したいとの意向から、当施設を希望していた。一方、Aさんは、施設への興味自体は示すものの、就業の意味自体を理解できておらず、「就業」への意欲は決して高いとは言えない状況であった。2 施設利用決定までのプロセス図1 施設利用決定までのプロセス(1) 施設実習説明会毎年地区では次年度4月利用の希望者に対し、施設実習(行動観察実習)を行っており、当施設では、特別支援学校高等部3年生に向けた説明会を毎年度当初に行っている。対象者は、卒業後の利用を希望する者であり、説明会は、施設の概要、施設実習等利用決定に向けたプロセス、作業場面の見学会から構成され、利用に向けた施設実習に関する説明も行う。参加者は、本人、家族、特別支援学校教員であり、この説明会が希望者本人と施設職員との初めての顔合わせの場となるPoint1  。Aさんとの出会いも、この説明会が初めてであった。説明会は、詳しいケースの情報のやりとりを目的にしてはいません。あくまで、当施設に対する適切な理解とラポール形成のための顔合わせを目的として実施し、必要最低限のアセスメントのみ行っています。1第2章 事例2 施設内作業、職場実習等におけるアセスメントとプランニング60第2章 事例2

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