就業支援ハンドブック実践編
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【個別目標・支援プログラム会議の概要】○会議回数:4か月毎に1回(年3回)※ 会議終了後、2か月後にモニタリングを行い、必要に応じ支援プログラムを見直すこととしている。○ 参加者: Aさん、家族、就労移行支援事業所職員(担当支援員、管理職)、地区を管轄する福祉事務所担当ケースワーカー○内容: 4か月間のアセスメント結果、長・短期プランニングの作成、日々の目標設定等○目的: <Aさん> ①就業のために必要なことを学ぶ ②今の自分の得意、不得意を知る ③ 自分自身の希望の下に、長・短期プランニングをつくり、今後の活動の見通しを立てる ④今の自分にはどのような努力が必要か、自分自身で目標を立てる <支援者> 支援者間の情報共有○評価点: 下記4段階で、作業状況等を評価 「4」とてもよくできている 「3」できている 「2」がんばりましょう 「1」できていません※  図4の精密評価表を基準とし、上記評価「1」の場合は、障害特性が起因している可能性もあるが、1年目はまずAさんの努力や支援でスキルアップが可能かを探ることとしている。2年目に入り、なお評価「1」が続く場合には、Aさんの障害特性等の影響を考慮し、環境調整や企業への配慮を検討していくこととしている。上記評価は全般的に「2」が中心であったが、当施設に少しずつ慣れてきたことと、友人が出来たことがプラス面として挙がった。一方、「行動観察実習」の際にも見られた挨拶や報告・連絡・相談に加え、言葉遣いや体調不良の訴えの多さが課題として挙げられた。会議でのAさんとご家族のコメントとしては、「緊張はしているものの、毎日の通所は楽しい」とAさんは話し、「家でも施設で話すような丁寧な言葉遣いで話す等、少し切り替えが難しい場面もあったが、元気に通えている。」と家族は話しており、通所への慣れ等がAさん・家族のコメントからも窺えた。なお、当施設では長期目標を「就職」と「生活」の2点に分かれて設定するが、最初の目標設定は支援者から見て現実的でないことが多い。例えばAさんの場合、1回目の長期目標は、「生活」に関するAさんの希望が強く、「自分で働いてお金を貯める。車やパソコンも欲しい。」とAさんは記載しており、このコメントにAさんの希望が強く表れていた。この希望を大切にするためにも、言葉遣いや体調維持等の現実的な作業態度や体調管理等を向上することが、この希望を叶えることにつながることを説明して、Aさんは若干納得感が薄いようであったが、了解したPoint3  。事例2 就労移行支援事業所 重度知的障害65第2章 事例2

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