就業支援ハンドブック実践編
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図5 個別目標・支援プログラム4 入所1年目の取組み(1) 就業への意識作り就業経験のない障害程度の重い方の大半は、「就業」に対して意識が低い傾向が見られる。あるいは、「就業」ということ自体理解できていないケースが多い。Aさんも同様であり、「就職」と言葉では言うものの現実味が乏しく、なぜ就職する必要があるのかを理解できていなかった。当施設1年目のプログラムの中には、就業を意識するきっかけとなる取組みを定期的に実施している。日常の施設内訓練、4か月に1回の個別目標・支援プログラム会議に加え、職場体験実習、会社見学、永年勤続表彰式のある新年会などがあり、意欲喚起を図っている。また、一緒に作業や学習等に取り組んでいた仲間の就職が身近で決定する事態に遭遇する場面があり、副次的ではあるが、集団での支援としてこの場面が非常に良い意味での刺激となり、就職を意識する良いきっかけとなっていることに触れておきたい。(2) プランニングのチェックと工賃による評価 ~“労働とお金とのつながり”を意識する取組み~個別会議実施後2か月が経ったところで、毎回見直しの話し合い(モニタリング)をAさんと担当支援員で行っているPoint5  。短期のプランニングの進捗状況や設定目標の達成度により、個別支援計画を変更する等の確認を行う。事例2 就労移行支援事業所 重度知的障害69第2章 事例2

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