就業支援ハンドブック実践編
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5 プランニング(個別支援計画)の作成正式利用後は、以下の流れでAさんはトレーニングを受けることとなります。<正式利用中(2年間)のトレーニングの流れ>① 基礎トレーニング期(利用開始~3か月を目安)⇒ この時期の目標は、「安定した施設通所」です。作業工程が少なく、体力的にも負荷の少ない軽作業を行ってもらいます。併せて、「ワークサンプル幕張版」を活用して通所開始時のアセスメントを行い、その方の課題や、「トレーニングの方向性」をみていきます。② 実践トレーニング期(利用3か月~1年を目安)⇒ この時期の目標は、「就業に向けた作業スキルの向上」です。「体力をつける」「作業の正確性を身につける」「作業スピードや効率を上げる」などを、施設内外の支援を通じて実際の職場を想定したスキルを身につけます。③ 就業チャレンジ期(利用1年以降を目安)⇒ この時期の目標は、文字通り「就業へのチャレンジ」です。今までのトレーニングを振り返りながら、必要であれば、企業実習などにも取り組みます。そして、「自分は実際どのくらい働けるのか?」「自分に適した職業は?」など、具体的なマッチングや就職後の留意事項等を明確にしていきます。※ 上記2年間のトレーニングでは、以下のとおり「トレーニング部門」「就労プログラム」「個別相談」の3つの支援を提供しています。○トレーニング部門部門作業内容作業の特長基礎トレーニング期軽作業シール貼り、チラシ折り等利用開始後、最初に入る部門です。座って出来る作業で、手順も非常にシンプルです。B事業所への通所のリズム作りを目的とした部門です。ワークサンプル幕張版(事務作業)伝票仕分け、書類ミスのチェック作業、PC入力等利用開始から2週間後程度から入る部門です。基本的な事務作業を練習教材を使って行います。併せて、挨拶、報連相など基本的な職場のコミュニケーションや、メモを取る習慣をつけるなど、働く上での基本的な習慣を身につけます。実践トレーニング期弁当宅配弁当配膳、食器洗い、配達等地域のお客様にお弁当を宅配する部門です。共同作業を通して、指示通り作業する力や時間を意識した働き方を身につけます。また、配達、注文などでの役割を通してコミュニケーションの練習もします。環境整備トイレ清掃、事務所清掃、マンション清掃等館内清掃をする部門です。まずは、清掃道具の使い方を学び、一人で作業を進める力と周囲に配慮するなどの清掃の基礎を身につけます。さらに進むと外部のマンション清掃の体験もします。事例3 就労移行支援事業所 精神障害81第2章 事例3

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