就業支援ハンドブック実践編
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1 本書で解説するアセスメントの概要3第1章 1さらに、「アセスメントの具体的対象」としては、上記の他に地域の労働市場等、就職する事業所環境、社会資源等、就職を支援する体制を踏まえ、アセスメントすることも重要である。また、①~④の側面にて障害者の特性を体系的に把握する際や、特性が職業生活にどう影響するかを検討する際に役立つツールとして「安定した職業生活を営むために大切な事項のイメージ図(図2)」を紹介する。さらに、これを利用者と共有することによって、安定した職業生活を営む上で対象者が現在どのような状態像にあるのかについて、利用者自身の理解を促進することにも役立つ。基本的労働習慣対人技能日常生活管理健康管理職業適性挨拶・返事、報告・連絡・相談、身だしなみ、 規則の順守、一定時間仕事に耐える体力 感情のコントロール、注意されたときの謝罪、 苦手な人への挨拶 職務への適性職務遂行に必要な知識・技能 基本的な生活リズム、金銭管理、余暇の過ごし方、移動能力 食事栄養管理、体調管理、服薬管理 図2 安定した職業生活を営むために大切な事項のイメージアセスメントの具体的手法利用者の特性を把握するための具体的手法は下記のとおり分類できる。① 面接・調査利用者や支援者との面接やチェックシート等により把握した情報に基づき、アセスメントを行う。※  既に労働、福祉、医療、教育等の関係機関が支援を行っている場合は早期に関係機関からの情報収集を行うことによって、利用者に対し、①~④の手法をどの程度、どのように実施することが効果的かつ負担が少ないかを検討することが必要である。例えば、「既に医療機関で心理検査を行っている方で、その検査結果の提供が受けられる場合はその結果の活用を図り同様のものを実施しない」、「通所施設を利用している方の場合は、施設で把握している課題を踏まえて、詳細な聞き取りや新たな作業場面の設定等を行う」等である。

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