HECK!HECK!HECK!3視覚障害者が補助者なしで作業できるようなP66「点字図書館・点字出版所」CASEFさん 年齢/20代これまでの経緯/全盲。白杖の他、盲導犬を利用している。CCCE事業所の属する製作所における主力工場では、障害者雇用に積極的にすすめており、障害のある社員が組立作業やフォークリフトでの運搬作業に従事しています。こうした中、E事業所の所長はE事業所においても障害者に活躍してもらえるのではないかと思い、全盲のFさんを採用しました。E事業所では、初めての障害者雇用であったことから、現場の理解を得られるか不安がありました。このため、障害者雇用の方針や採用する障害者の障害特性について全社員に説明した上で、社員からも意見を聞きました。障害特性や配慮すべき事項については、Fさんが通所していた障害者支援施設の職員の方にも確認を行いました。社員からは大きな反対は出ませんでした。次に、職場環境の整備として、作業場から食堂への移動など、事業所内の移動を安全にできるよう、事業所内に導線を設置したほか、ロッカーやタイムレコーダーなどの社内の備品や自動販売機に点字シールを貼付しました。これらの工夫はFさんのご家族の協力を得て行いました。職務選定と作業環境の整備については、Fさんが単独で従事できる作業を選定するなどの環境整備を行う必要がありました。これまでパート従業員が行っていた作業の工程を分割し、補助者なしで従事できる作業を見つけ出しました。加えて、Fさんが単独で作業できるようにするための簡易的な治具のひとつとして、保護ベルト(命綱のこすれ防止)組み立ての際に手で長さがわかるように工夫された治具を作成しました。また、Fさんにとっては初めての会社勤務であり、単独で通勤できるようになることが課題でした。このため日本盲導犬協会から盲導犬の貸与を受けるとともに、盲導犬とともに通勤する訓練を受けました。1か月あまりの訓練で単独で通勤できるようになり、訓練前は片道1時間以上かかっていた通勤時間が片道40分程度に短縮されました。Fさんは、「入社当初は、部品の裏表を手触りで判別するのがむずかしくて苦労しましたが、会社の方が見本を用意して手に触れながら教えてくれたので、今では一人で作業できるようになりました。就職面接会で、いくつかの会社から全盲の人にはどうやって仕事を教えていいのかわからない、と言われましたが、この会社ではていねいに仕事を教えてくれたのでありがたく思っています。」と話しています。E事業所の所長は、「Fさんを採用した際、最初に本人※平成30年に取材。8本人あたたかい職場、これからの活躍に期待PROFILE事業所E事業所事業概要/作業用・乗用車用ヘルメット、安全帯、換気用風管、担架等の安全用品を製造している製作会社の一事業所我が事業所でも障害者の雇用を直面した課題に対応できる職場環境を作る~雇用までの道のり~職場環境づくりを実現した取組事例
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