HECK!HECK!HECK!P49「就労支援機器貸出し制度」P56「障害者雇用納付金制度に基づく主な助成金一覧」レターガイドセット組織開発室長Kさんは、店舗で店長を目指し教育訓練をしているときに、突然目が見えなくなりました。店舗で働き続けることは困難なため、休職中に歩行技術とパソコンスキルを習得し、事務職として復職しました。現在は人材開発部に所属し、支援機器を活用しながら採用全般に関わる仕事をしています。CCCまた、必要な支援機器について検討し、「支援機器貸出し制度」や「障害者作業施設設置等助成金」を利用して、パソコン画面の文字を拡大するソフト、画面を読み上げるソフト、原稿の文字を拡大する機器(拡大読書器)を整備し環境を整えました。こうして、Kさんは12月に人材開発部に復職しました。復職当初は通勤の負担を考慮して勤務開始時間を遅らせたり、短時間の勤務から始めて段階的に勤務時間を増やしていったり、パソコンスキルの定着を図るため、週に1度日本盲人職能開発センターに通う時間を設定したりと、柔軟な対応をしていきました。支援機器のほかに、「青いのり(塗ったのりが見えやすい)」「太字のマジック」「レターガイドセット(溝があるので書く部分が見えやすい)」など仕事をしやすいものを自ら探し、周囲に伝えていきました。Kさんの上司である採用プロジェクトリーダーに、普段配慮していることを尋ねると、「特別に配慮していることはありませんが、強いて言うと、整理整頓には気をつけていますね。あるべきところに物がなくて、探すことに時間を費やすと、本人にとってもストレスになりますし、効率もサービスも低下しますから。あとは、ファイリングした書類のトップに拡大した見出しをつけて、見やすくするということはしています。でも、彼にとって見やすいということは自分たちにとっても見やすく、仕事がしやすいことなんです」という答えが返ってきました。採用プロジェクトリーダーの言葉からも、Kさんの言葉からも、コミュニケーションがよくとれていることがわかります。Kさんは、現在、採用応募者の受付(メールや電話による応対)、会社説明会の準備、資料作成、データ管理、店舗との調整など採用に関わるあらゆる業務に対応しています。【アルバイト・パート採用に関して】・J社全店舗のWeb 応募者のデータ管理・Web 応募者が希望している店舗との連絡・店舗に掲示している募集pop の作成など復職当初は、慣れない仕事でとまどいもありましたが、仕事をしやすい手順を考えたりツールを活用したりすることで、現在は充分力を発揮しています。本人の強い意欲と、「どうすればできるか」という視点で、人を活かすしくみづくりを企業が考えることが大切だと感じています。今後について、Kさんは「今は採用に関わる仕事が中心で、重要な仕事であるとやりがいを感じていますが、今後も新しい知識を習得してできることを増やしていきたい」と考えています。一方、開発室長も「まだ若いので、経理やオフィスマネジャーなどに挑戦してほしいと思っています。そのためには、本人の努力はもちろんですが、会社としてもどうすればできるのか考えていくことが必要です」と話しています。「仕事を続けるためにはどうしたらよいか」という視点で考え、周囲にも積極的に相談していくKさんの前向きな姿勢と、人を大切にし、人を活かすという会社の理念が、キャリアアップにつながり、社内全体にもさらに良い効果を産み出すことでしょう。Kさんの主な職務内容【新卒者の採用に関して】・会社説明会資料の作成・準備・会社説明会参加の受付・グループ面談・一次面接・最終面接の受付、案内・学生データの管理・学生に対する社内報送付・ 内定式、新人研修など内定者(新入社員)の集会における 司会など13柔軟な受け入れ態勢を検討今後に向けて本人の強い意志と人を活かす企業の姿勢が重要
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