6関係機関の協力のもと、インターンシップをCASEMさん 年齢/30代これまでの経緯/角膜混濁による先天性の弱視。視力は0.03程度。視野に見えにくいところがある。 過去に事務職での就労経験があるが、市立盲特別支援学校であんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の資格を取得。2009年4月から、ヘルスキーパーとしてL社に勤務。P15用語解説「インターンシップ」CCCL社ではこれまで、在職していた障害者が結婚や家庭の事情などによって短期間で複数名退職することになり、人事担当者はハローワークに相談しました。それまで勤務していた障害者は、ほとんどが肢体不自由者で、主に事務業務に従事していましたが、採用人数の関係から従来の採用方針に加え、新たな視点による障害者の採用を検討するように勧められました。同業他社で雇用事例があることや、業種の特徴から、従業員の疲労やストレスがたまりやすいことを考え、ヘルスキーパーの導入をハローワークの担当者に相談し、検討することにしました。ハローワークの担当者から市立盲特別支援学校を紹介され、盲学校の教諭からヘルスキーパーの説明を受けた人事担当者は、学生や設備など実際の受け入れに必要な情報収集と確認のため、早速6月に同校を訪問しました。その中で盲学校の教諭から、導入にあたり、本人と就労先の従業員がお互いになじめるかを確認するための「インターンシップ(実習)」を実施することを提案され、社内で検討しました。 HECK!HECK!HECK!社内調整の結果、1週間のインターンシップ期間を設定しました。マッサージを行うために必要な物品はすべて市立盲特別支援学校が用意し、社内の仮のスペースで、担当教諭同行のもと就職を希望していたMさんが、実習生としてマッサージを実施しました。実習体験者は人事を中心に他部署の従業員や役員まで対象を広げ、1日5名、計25名がマッサージを体験し、施術後にアンケートを行いました。その結果、双方が好感触であったため、Mさんのヘルスキーパーとしての受け入れが決まりました。その後、マッサージルームを設置するスペースや必要な備品の購入などの参考にするため、先行企業のマッサージルームの見学を行ったり、保健師の知り合いのヘルスキーパーからも情報を収集したりして、Mさんの希望も参考にMさんや盲学校の教諭と数回相談しながら、マッサージルーム開設の準備を進めました。また、カルテの管理業務のための拡大読書器や画面拡大ソフト、画面読み上げソフトなどの比較的高額の就労支援機器も整備しました。これらの就労支援機器の整備に際しては、障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用しました。助成金申請手続きに関しては、事前に市立盲特別支援学校から丁寧な助言※平成21年当時の事例を基に編集しています。14本人インターンシップで理解促進マッサージルームを開設PROFILE事業所L社事業概要/各種広告の代理業務、広告宣伝に関する企画・立案・制作等を展開する企業新しい視点で視覚障害者の受け入れを検討ハローワーク、市立盲特別支援学校との連携~雇用までの道のり~経てヘルスキーパーとして活躍
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