視覚障害者の職場定着推進マニュアル
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212160°75°100°視野の範囲60°見やすくする工夫 視力と視野の関係  見える範囲が狭い場合は、少し離れてみると視野が広がり、見たいものが見つけやすくなります。反面、遠いところに基準点を置くと、近くにあるものは視野に入りにくく、見失ったりぶつかったりしやすくなります。 真ん中が見えにくい場合は、近くで見るほど暗点が小さくなり、隠れていたところが見えてきます。 視野が正常である場合、視力が0.3以下になると「読むこと」に不自由さを感じるようになりますが、0.1以上あれば行動にはほとんど不便を感じないといわれています。「書くこと」に関しては、マジックなど濃い太い字であれば、0.02くらいの視力でも認識することができます。 視野が各方向10度以内になると、視力があっても行動が制限され、5度以内になると、目を使うことがきわめて困難になるといわれています。 視野5度では、見るものから60cm離れても、直径5cmの範囲しか見ることができません。(2)視野の障害 人間の目は、静止したままでもかなり広い範囲を見ることができます。この見える範囲を「視野」といい、正常な片目の視野は、上方と内方(鼻側)が60度、外方(耳側)100度、下方75度です。 視野の障害には、全体的に見える範囲が狭まる「視野狭窄」、部分的に見えないところがある「暗点」、視野の半分が欠ける「半盲」などがあります。 視力が良くて視野が狭い場合には、読み書きにそれほど支障はありませんが、歩行や行動は困難になります。逆に、視力が低くて視野が保たれている場合には、読み書きには不自由さを感じますが、歩行や行動に大きな困難をきたすことはありません。

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