2コンサルティング会社における視覚障害者の雇用取組事例CASEDさん 年齢/30代これまでの経緯/先天性の強度近視。左目は高校生の時に網膜剥離を発症し、現在は中心部の視力はあるものの眼前に提示した手の動きがわかる程度。右目はコンタクトレンズで矯正して0.1程度。視覚特別支援学校高等部専攻科鍼灸手技療法科卒業後、ヘルスキーパーとして新卒でC社に入社。C社は、様々な業界・業種に対し、経営診断・戦略立案、業務改革・組織改革、IT戦略・企画立案、システム開発などのサービスを行うコンサルティング会社です。C社では、2007年にリラクゼーションルームを立ち上げ、社員の健康維持や疲労回復に向けたマッサージのサービス提供において、視覚障害者のヘルスキーパーが活躍してきました。その中の一人であるDさんは、視覚特別支援学校の高等部専攻科鍼灸手技療法科を卒業後、新卒でC社に入社しました。Dさんは、あんま、マッサージ指圧師免許、鍼師免許を在学中に取得しており、就職後はヘルスキーパーとしてリラクゼーションルームに配属され、社員へのマッサージの施術を行うとともに、利用予約、備品の管理、ミーティング資料の作成、アンケート集計など幅広く業務を行ってきました。新型コロナウイルス感染症の長期化、および全社の働き方改革に伴いリモートワークが進み、出社比率が大幅に低下し、従前のようなリラクゼーションルームの運営継続が難しくなり、2021年4月、やむなくリラクゼーションルームの閉鎖が決定されました。一方で、会社としてはリラクゼーションルームで働く社員が継続して勤務できるようにするために、社内の総務部門、人事部門、健康支援室の協業で職種転換プロジェクト(以下「プロジェクト」という。)を発足させました。Dさんはこの機会に自身の今後のキャリアを考えた結果、マッサージ師や鍼師としての道を続けるのではなく、事務職として職種転換をする決断をしました。新たな道に進む決断をするまでに時間はかからなかったとのことです。まずは、事務職への職種転換を決断した社員のビジネスレベルのパソコンスキル習得のため、約半年間、国立職業リハビリテーションセンターや視覚障害者のICT(情報通信技術)利用促進に取り組む訓練施設で、教育訓練を受講※令和4年に取材。6本人PROFILE事業所C社事業概要/経営診断・戦略立案、業務改革・組織改革、IT戦略・企画立案、システム開発、 アウトソーシング等のコンサルティングサービス等を展開ヘルスキーパーとして勤務ヘルスキーパーから事務職への職種転換決断~職種転換までの道のり~外部支援機関と連携しながらのプロジェクト推進プロジェクトでは、リラクゼーションルームの視覚障害のある社員の職種転換をどう進めるべきか、何から手を付ければいいのかC社にはノウハウがなかったため、まずは以前からやり取りのあった障害者職業センター(以下「職業センター」という。)に相談しました。同様の支援事例は職業センター内にありませんでしたが、視覚障害指導の専門家につないでいただき、何から手を付けていくべきかを明確にしました。~職種転換プロジェクトによる社員の職種転換を実施~
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