視覚障害者の職場定着推進マニュアル
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HECK!HECK!HECK!P63「地域障害者職業センター」人事総務グループ 人事ユニット 支援員(プロジェクトリーダー)P44「Ⅳ視覚障害者に役立つ支援機器」P56「障害者雇用納付金制度に基づく主な助成金一覧」CCCCCCしました。この教育訓練は、音声読み上げソフトや画面拡大機能の使い方、Word、Excel、PowerPointの使い方を習得する基礎訓練と、会社からの課題(配属後の想定業務をアレンジした課題)に取り組む実践訓練の二段階で実施しました。Dさんを含む事務職への職種転換を決断した社員は、約半年間の教育訓練を経て、全社各部門から各種業務を受託する障害者雇用推進チームに異動し、業務研修に取り組みました。異動にあたり、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の就労支援機器の貸出し制度や、障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用し、環境面での整備も同時並行で進めました。業務研修中は、専任のサポート担当者(以下、「指導員」)を配置し、業務のレクチャーからOJT指導までを実施しました。元々あった業務手順書の記述では、視覚障害者の社員が内容を理解するのが難しかったため、指導員は、音声読み上げソフトでは識別できない画像や図を説明文章に置き換えたり、パソコンのショートカットキーの操作方法も細やかに記載する等の工夫をして、視覚障害者が作業を理解しやすい業務手順書に加工しました。社員に業務で使ってもらい修正することを繰り返し、今も、業務手順書はバージョンアップを続けています。加えて、職業センターから業務指導の専門家(ジョブコーヘルスキーパーから事務職への職種転換は今までにも例のない取り組みであり、何をどのように進めたら良いかわからない状態から始まりましたが、様々な支援機関を活用しながら試行錯誤を重ね、現場配属まで進めることができました。プロジェクト終了まで無事に進められたのも、職種転換を意思決定した本人たちの努力があったからこその成果であると感じています。自身の持つ障害により、いろいろな可能性を諦めないでほしいという気持ちを胸に、これからも活躍してもらえるよう支援を続けたいと思っています。チ)の派遣を受け、視覚障害者の社員には就労支援機器やソフトウエアの活用方法の指導、指導員には業務指導方法のレクチャーをしてもらう等、専門的なサポートを受けました。Dさんは教育訓練や業務研修について、「業務の作業工程とその目的を理解しながら、自身のスキル向上や業務効率化ができないか試行錯誤を重ねました。全く違う職種への挑戦で、あらゆることが初めての経験となるため不安はありますが、必要に応じて業務ツールの作成・活用もしながら、業務品質の担保に取り組んでいます。」と話していました。また、異動の受け入れを行った障害者雇用推進チームのマネージャーは、「以前から当チームでは視覚障害のある社員が活躍していますが、今回のプロジェクトでは、ヘルスキーパーからの職種転換による新たなキャリアが構築されることで、個々人の多様性と可能性を感じる良い機会になったと実感しています。その一方、個々の更なるパソコンスキルの向上と、受け入れ側のノウハウ蓄積などの課題は依然として残っています。1年半ほど実施してきたプロジェクト自体は終わりを迎えますが、個々の状況に合わせ、担当業務の領域を広げ、自信をもって業務を進められるようこれからもサポートしていきたいです。プロジェクトの終了後も、就業環境の整備、業務内容や業務量の調整、障害配慮を引き続き検討、実施していきます。」とプロジェクトを振り返っていました。HECK!HECK!HECK!7職場異動後の業務研修とサポート企業担当者からのメッセージ

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